「心理学」の感想 (13 Apr. 2021)

教養心理学2回目のオンデマンド授業。小テストの平均点は今回は平均59.22点 / 256名 (第1回は71.12点 / 259名)。小テストの点数がなぜか公開されない設定になっていましたが、設定を変えたので、確認できるようになっていると思います。

全て選択問題なので、PDF教材の読み込み方が足りないので、もう少し時間をかけて読みましょう。授業時間が90分とすると、2回程度は読めるはず。読んでから解かないと時間が足りません。

なお、小テストの時間設定は去年の反省をもとにかなり練って考えたものなので、要望があっても変えません。予習90分、本編90分勉強したら (合計3時間) だいたいよい点が取れるようになっています。もちろん個人差がありますが、全て選択問題なので、しっかり読み込んだ後、スマートフォンなどで教材を表示しながら (あるいは印刷した教材を見ながら) 小テストに取り組んでみてください。何度か読んでいればその答えがどこに書いてあるかすぐに分かると思います。あまり得意じゃないなと思う方はせめて半分取れるようにがんばってください。本講義は残念ながら楽単科目ではありません。とはいえ、小テスト50点とってリアクションペイパーで指示された通りのことを書いていれば単位は取れますので、努力は報われるはずです。相当がんばって満点をとっている学生も複数おり、たいへん嬉しいです。

しかし! 4時間勉強をしても50点しか取れないという学生が出てきたため、1問につき10秒伸ばして様子を見てみます。さすがに試験開始までに4時間勉強してもいい点が取れないのはちょっと難しすぎる。あまりに負荷をかけるのは僕の本意ではありません。これまで1問30秒でしたが、これを40秒にします。例えば22問ある場合は、15分です。

今回の授業では、私自身、内観というものに関して深く考えさせられるものとなりました。授業の最初に心理学は内部を見るものではなく、外部を見るものだと心理学に関して初学者の自分を裏切ってきました。しかし授業を受けていく中で私は、外部に現れるものを観察するのであればそれは、内部から出てきたものをそのまま外部と捉え実験しているだけではないかと考えました。私の考えはヴントの感情の三次元説に近いのではないかと思います。快不快、興奮沈静、緊張弛緩は内部から起こった感情をただ表情や体で表現しているだけで何ら変わりのないものだと思います。認知心理学にも近いかと思いましたがテクノロジーの進化によって台頭してきたとのことなので差別化されるのではと考えています。今後授業を受けていく中で、この内部外部のことには触れる機会があると思うので楽しみにしています。また先生自身の考えもお聞かせください。

これはたいへんすばらしいコメントです。教材を書いたかいがありました。〈内部〉「から」出てきたものは、〈内部〉それ自体を意味しているものではないですよね。そもそも〈内部〉というのは心理学の方法論 (機能主義) ではどうやったって直接観察したり、考察したりできない対象なのです。それを棄てたことによって心理学は哲学から独立しましたし、科学的な研究ができるようになりました。しかし、それで失ったことも多いのだと思います。

分かったことは、心理学の授業なのに、こんなんにも哲学者の名前が出てくることに驚きました。意外と、心理学と哲学は結びついているのだと分かりました。質問なのですが、馬は表情を読み取る能力があり他にもそのような動物はいますか?

犬や猫も人間の表情はある程度分かりますよね。ペット化している動物はわりとそうではないでしょうか。

心理学の過去と歴史について理解することが出来ました。

「わかったこと」というのはもう少し深いレベルのことを言っています。これは教材を読まなくても書ける感想です。

小テストのことで質問があります。時間制限により途中終了になった場合は提出済みになっているのでしょうか。聞き忘れで既に回答済みでしたら申し訳ございません。

基本的にそうしてあるのですが、第2回はそうなっていませんでした。それで途中で設定を変えてあります。

質問なのですが、今までsonaシステムで募集した実験にはどのようなものがあるのですか。

基本的に実験室に来てコンピューターで他者と相互作用をしたり、パズルのようなものを解いたりするようなものが多いです。

小テストについて、出された問題の答えは常にその回の資料に記載されていますか?

基本的に全部載っています。

この授業について改善してほしいところは、外国人の名前の問題をもう少し少なくしてもらえれば問題が解けると思いました。あまりにも偉人たちの問題が多くたくさんの偉人の名前を覚えるのが大変です。

学問というのは誰が何をしたかを学ぶものですよ。

小テストにで問われるような重要なものが何か分かりにくいので、何を重要だと捉えて読めばいいのか分かりにくいです。

ポイントはコマシラバスに書いており、大事な用語は太字にしてあります。

以下、授業とは全く関係ないことになります。申し訳ありません。中西先生は「ペーパー」ではなく「ペイパー」、「メール」ではなく「メイル」と表記されていると思います。これにはどういった理由があるのか、とても気になります。簡単にネットで調べてみたのですが、何も見つかりませんでした。

nailのことは「ネイル」と書きますよね。safeは「セイフ」とは書かない人が多いかな。railは僕はレイルと書きますが、「レール」の人が多いかもしれない。僕の表記は慣用的な表記とは違うかもしれませんが、あまり気にしないでください。単にそう書く方が勝手に正しいと思っているだけです。

sonaシステムに登録したんですが、期限外だったのでもう遅いですか?

まだ大丈夫です。

心理学史は,様々な主義が出てきて人名も多く,その情報の多さに苦手な分野で今までなんとなく避けてきたところだったので,今回また流れをおさらいすることができて少し苦手意識が薄まったのかな…と思います。今まで名前と代表的な主張や著作名,説しか覚えていなかったので,ヴントが現代の科学的心理学の直接の祖先ではない理由がわかり,驚きました。内省的に研究する手法ですが,難しそうだし,ヴントの行った実験も,内観を捉えるとも違う実験で,これはこれで知覚心理学の実験でありそうだけども…と思いました。うまくまとまりません。情報量に脳がパンクしそうです。改めてエビングハウスの無意味つづりの実験は面白かったことを思い出しました。

これは、僕の解釈も含まれているので、「正しい」かどうかはまた難しいと思います (教科書がない、というか、教科書が僕の書いた教材なので)。この授業は情報量は相当多いと思います。一通り学べば、まあそこそこ心理学のことは分かった気にはなれると思います。

心理学のはじまりから、様々な人物が登場してきたことがよくわかった。20ページに及ぶ資料のすべてを理解することはやはり難しく、テストは全然できなかった。他の人たちがどのようにして点数をとっているのか知りたい。

とにかく読んでください。90分この授業に確保されている時間は集中して読んでください。そうして、読んで分かったことを誰かに教えてみてください。教えられれば大丈夫です。家族がいたら家族にそこに何が書かれていたか説明してみましょう。友達でもいいです。小テストは選択問題しか出ませんので、用語や人名はおおざっぱに理解しておけば大丈夫です。

先日、BSの番組で「千里眼事件」について放送していた。そこで登場した福来友吉の名をここで聞くとは思わなかった。番組では透視や念写など超常現象やオカルトの域を出ない事柄について扱っていたが、そういった類の話を楽しむことはできまですか?

「楽しむことはできますか」と書かれているとしてお答えします。楽しみますし、そういうのはわりと好きです。心理学者も占いなんか読みますよ。

もう一つ質問です。以前からsonaシステムに登録している人は加点対象になりますか?

もちろん、なります。

私は高校生の時部活の一貫で美術館で海外の人が描いた絵画を見ました。そこには全体的に暗めな色で人の肌が描かれており、実際にこのような肌の色を持つ人がいるのですかと美術の先生尋ねました。すると先生は絵を描いた人の色の見え方と、私たちが見えている色に違いがあるのだと教えてもらいました。

おもしろい話ですね、まさに知覚心理学だと思います。あとの方で知覚心理学を学ぶところがあるので、またいろいろ考えていきましょう。

〇〇心理学という言葉が多くて頭がごちゃごちゃになるので、心理学全体の中でどういう位置付けなのかがわかるような資料が欲しいです。

それがコマシラバスですよ。ぜひコマシラバスをしっかり読み込んでみてください。

その他 (授業に直接関係しないかもしれないが聞いておきたいこと)リアクションペイパーのリンクからサイトを見る事が出来ません。

あれ、見られませんか? たまたまダウンしていていたのかもしれません。

https://daihiko.net

第二回の授業は第一回の授業で出てきたそもそも論が溢れるほどに出てきて、心理学への期待と失望を存分に体験することができました。(半泣)

第3回からはまた具体的な心理学の研究の話になるので、なんとか付いてきてください。

大学の先生はコマシラバスを読み上げ,資料を見せて何の解説もないまま,テストを解かせるだけなのでしょうか.オンデマンド型の授業は昨年度より受けてまいりましたが,ここまで工夫のない授業は初めてであり困惑しております.心理学01では対面授業でもこのような形をとるのでしょうか.回答の程よろしくお願いいたします.

この教材は相当「工夫」して書いています。原型は去年書いたものですが、作成に5ヶ月かけています。この教材を書くために150冊程度の文献を入手し、読み込んであります (図書館の文献もかなり使いましたが、手元に必要なものも多く、去年1年で古本が中心ですが、それでも教材を書くために40万円以上を支出しています)。また、教材は去年の授業の学生の反応から書き換えており、ブラッシュアップしています。小テスト問題は200問以上自作してありますが、去年は記述式でいろいろ問題があったので、全て選択式にして、教材を理解していなければいい点が取れないように「工夫して」全て1から作成しなおしてあります。

過去に行った対面授業ではAppleのKeynoteというプレゼンテーションソフトを使い、スライドをスクリーンに投射しながら、そこに書かれた概要を口頭で説明していました。しかし、この方式でオンデマンドをすると重要なトークが音声情報になってしまうので、復習がしにくい。そこで、しゃべる内容を全て文章化しています。それがみなさんにお配りしたPDFファイルです。ただ、これの読み方を説明しないと分量が多いのでたいへんだということで、5分から10分くらいでコマシラバス解説を行っています。その部分は短いので動画にしてあります。詳細なコマシラバスを添付しているのも「工夫」ポイントです。

パワポと動画の授業もあるかと思いますが、そういう授業よりも文章教材がメインの方が圧倒的に復習しやすいでしょう (正直、パワポ & 動画の方が作るのは楽ですが)。「何の解説もないまま」というのは、全く間違えています。解説は全て教材に書かれてあります。そのために教材を1から作ってあります。そこらへんの教科書よりもずっと丁寧に書き込んであります。授業で話すことをそのまま文章にしたので、これが、解説です。だから、しっかり読んでほしい。

また、毎回このように相当の時間をかけて全員分のリアクションペイパーに対応しており、みなさんの反応も確認しております。なお、これは教養科目であり、履修者はこの科目を選択するかどうかを自分で決めることができます。授業の方式については全て大学公式シラバス (http://syllabus.shudo-u.ac.jp/Syllabus/2021_00019401.html) で公開してあり、あなたはこれを読んで履修することを決定したはずです。特に「履修上の注意事項」を再度ご確認ください。授業の展開の仕方も書いてあります。これを読んで合わないなと思ったら他の科目を履修することもできたわけです。以上の点についてご理解のうえ、がんばって単位を取ってください。あと、「工夫のない」という表現は結構つらい。

心理学を身近に感じる例はありますでしょうか?

人生で経験することのほとんどは心理学に関係しています。

第一回の授業でメンタリズムと心理学が別物であることを理解したのですが、この二つは同じ線上にあると見ました。心理学をマスターしていれば、普通の人よりかはメンタリズムを容易に身につけることができますか?

すみません、その「メンタリズム」というのが何なのか、僕には分かりません……。

また、動物心理学というものに少し興味をもちました。モーガンの犬の例の話を読んで理解はしましたが、私の友人の犬はトイレを指定の場所ですることができます。それは偶然では言い表せれないので少し疑問を持ちました。

トイレはトレーニングでできますが、それは計算ができるとか洞察ができるということではないですよね?

心理学の歴史では、あらゆる説や主義、人物が出てきてごちゃごちゃしていて理解するのにとても苦労したけれど、途中にある犬や馬の話などがとても興味のあるもので面白かった!!

おもしろかったといってもらえてたいへん嬉しいです。分かりにくい点などあれば次年度以降に向けて修正していくのでぜひ教えてください。

41行目の行動経済学と動物行動学についてのイメージがわかなかったのでもう少し詳しくお願いします。

ここの「行動」というのは、いずれも外にあらわれた行動のことを意味していて、〈内部〉で何が起こっているかは (それが測定できないものであれば) とりあえずおいておく、ということです。

ジェームズの言葉で、「人は悲しいから泣くのではない。泣くから悲しいのだ。」とあるが、このようなジェームズランゲ説を実証したデータはあるのだろうか。205行目のソーンダイクの問題とは何か教えていただきたいです。心理学を応用して、例えば医療行為として松本亦太郎のように催眠術を行うことは現代にありえるのか気になった。例えば、選挙の投票をする際、規定の書き方以外のことを記入すればその投票は無効になるが、心理学の実験においても選挙のようにわざと実験を破壊しようとする行為は無効になるのか。それとも、なぜ人がわざとそんなことをするのかと考えるところまでが心理の研究対象となるのか。

ジェームズ=ランゲ説は既にそれ自体は否定されていますが、生理的反応を解釈することによって感情が生起することを示しているデータはあります。「それだけではない」のですが。205行目はソーンダイクの問題ではなく、ソーンダイクの「問題箱」です。「わざと実験を破壊しようとする行為」というのは実験者の指示に従わないということだと思いますが、その場合にはその実験データは使えないです。

古代から心理学がどのように研究され、どのように発展してきたのかを知ることができました。特に世界各国での心理学の研究されている分野が異なる点はとても興味深いと感じました。世界の国々で扱われていた分野の発展した理由をもっと深く知りたいと思いました。

ぜひ引用文献も参照してみてください!

下の補足? の部分が本文のどの部分と対応しているのか行数で示していただけると助かります。

これは脚注のことだと思いますが、本文にその番号が振ってあります。

299行目~の賢馬ハンスのエピソードで、周りの状況や、周りの人の顔色をうかがいながら行動していたというのを読んで、人間も動物も変わらないなと感じました。確かに、私は犬を飼っているのですが、エサが欲しい時には吠えたり、かまってほしい時にはゲージを叩いたりして、意思表示をしています。このことから、401行目に書いてあるように、心理学の研究対象は人間だけでなく、行動が観察できる動物も研究対象になるということが理解できるし、興味深いと感じました!日本心理学会の「心理学ってなんだろう」の「心理学の過去は長いが歴史は短い」宣言から80年の記事で、エビングハウスが新しい心理学の成立を数十年前にさかのぼって宣言したと書いてありますが、なぜ数十年前にさかのぼって宣言したのでしょうか?

これですね。ヴントが心理学のゼミナールを正式に始めたのが1879年で、エビングハウスの本が1908年出版だから、30年前に遡って宣言した、ということになるということでしょうね。

何となく疑問に思ったことなのですが、心理学者や思想家にヨーロッパの人が多いのは古代ギリシャなどで哲学が発達していたことと関係があるのでしょうか。日本ではあまり熱心に心理学の研究はされなかったのですか?

いや、362行目のところから書いてあるように、日本の心理学はわりと早いです。

現代の心理学である進化心理学で用いられている進化論とはダーウィンの進化論が元になっているのでしょうか? 進化論についてはラマルクの「用不用説」や「獲得形質の遺伝」という環境への適用のために進化したという説があります。しかし、資料内にダーウィン名前があったこともあり、ダーウィンの「自然選択」の説がここでは用いられているのかなと疑問に思いました。

基本的に進化心理学で用いられているのはダーウィンの説が元になっています。ラマルク説はエピジェネティクスなどで若干それと類似のプロセスは残っていますが、現代では否定されていますよね (そんなことを言ったらダーウィンも獲得形質が遺伝することを前提としていたりして、間違えているところもあるのですが)。

元良勇次郎はどのようにして心理学のことを知ったのかが疑問に思った (元々日本で似たような研究があったのか、それとも元良がドイツにわたって初めて知ったのか)。

アメリカ留学中に知ったのだろうと思います。

今回も分からない単語や文章が多かったですが心理学入門やインターネットなどで調べながら覚えました。

すばらしい! 学生の鏡です! そうです、分からない言葉は調べながら読むのです。対面授業だとその場で質問して、それに対して補足できるんですけどね。本当は対面がいい。

それにしても賢馬ハンスは人の表情から読み取るという凄いことをしています。まるでメンタリスト彼こそ心理学馬だと思います(笑)

人間も人間以外の一部の動物もある程度は「心を読める」のがふつうなのです。そうでなければ対人関係はうまくいかないので。

教授には会ってみたい歴史上の心理学者がいますか? 私はソクラテスに会ってみたいです。ソクラテスの質問を用いて相手の矛盾をしていくやり方は現代で言う西村ひろゆきさんみたいです。

ソクラテスにはあんまり会いたくないですね、きっと殴りたくなるのではないかと思います。心理学者で会いたい人といえば、北大のときにお世話になった故山岸俊男先生ですねえ。

結局、心理学の研究は最近はじまったんですか?

100年ちょっと前が「最近」というなら最近、ですね。哲学よりはずいぶん新しい。

前回はなぜ教材に記載されていない問題が出題されたのですか。また、これからもそのような問題を出す予定はありますか。

どの問題でしょうか? 牛乳と紅茶でしょうか。これはちょっとした応用問題ですね。こういう問題はほとんど出ません。基本的に教材に書かれてあることばかりです。

話が変わりますが、小テスト中にPCがフリーズを起こしてしまい、十分な時間が得られませんでした。以上報告です。

これは超重要情報なので、メイルですぐに連絡してください。金曜の朝までならもう一度チャンスをあげることができます。ここに書くのだと遅いので、必ず、メイルで、お願いします。