少し古い記事で恐縮だが、「浮気性の夫に「バソプレッシン」をどうぞ」を読んでほしい。ハタネズミの浮気性がバソプレッシンというホルモンによって左右されるという内容だ。バソプレッシンは社会記憶と関係していると言われている。バソプレッシン受容体をたくさん持っているプレイリーハタネズミは、性行為をした相手をよく覚えているということが分かっている。
“マイホームパパ”のプレイリーハタネズミは、バソプレッシン受容体をたくさん持っているため、性行為をした相手をよく覚えている。そして、その相手が再び目の前に出てきた際には、「この娘としたんだ」という深い感慨を持つにちがいない (山元, 2006)。
しかも、山元によれば、ヒトのバソプレッシン受容体の多少には個人差がある。この個人差は遺伝子多型であり、生まれつき遺伝的な個人差があるということである。さらに、この遺伝子多型は自閉症のリスクとも関係するという。つまり、生まれつき浮気性な男とそうでない男が存在するということだ。結婚前に相手のバソプレッシン受容体遺伝子の遺伝子多型を調べることが当たり前になったら、どうしよう?
山元大輔 (2006). 心と遺伝子 中公新書クラレ
現在サバティカル中の師匠より、過去に師匠と共同研究をした文化伝達の論文2本が英国王立協会が出している生物学の権威ある雑誌 (Philosophical Transctions of the Royal Society B) に掲載されたレビュー論文の中で大きく取り上げられているとのメイルをいただく。
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大学の教員をやっているとマスコミからコメントを求められることがある。向こうは心理学の専門家でもないし、心理学者がどういう存在かということを知らないので、(特に社会心理学者は!) 何でも屋的な存在として取材要請をしてくる。学内の総合企画課という広報担当の部署がこの手の取材依頼の取り次ぎをすることになっていて、そこからはいつも難題が舞い込んでくる。
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日本心理学会の大会は金曜日の朝からはじまる。はじめから出るためには木曜に広島を出る必要があるけれど、直行便はJALが1便、ANAが1便の計2便しかない。しかも、木曜日は午後から教授会 (残念なことに本学を含む多くの大学では、教授だけではなく、僕のような准教授や講師といったより下っ端の教員もこの不毛な会議に出席する義務がある。僕みたいなのが出席するのは畏れ多いので、参加資格を「教授」以上にしていただきたいのだが、いかがなものか)、教授会の後のFD研修会 (Faculty Developmentの略。学部の教育改善に関する研修会)、さらに研究科委員会をこなした後に出発する必要があった。
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明日から北大で日本心理学会第72回大会が開催される。「日本心理学会」はもちろん、日本で最も権威ある心理学の学会なのだが、一度も発表をしたことがない。今回も発表はない。発表が基本的にポスターというのが気に入らないということと、社会心理学者の多くは発表を日本社会心理学会や日本グループ・ダイナミックス学会で行っているということがその理由 (そんなことを言うならう小講演をやればいいのだが)。
基礎系の人が僕の発表を聴いておもしろがるとは思えないし、僕が知覚心理学や臨床心理学の話を聴いてその意義を理解できるとは思えない。
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広島修道大学での担当科目や社会心理学・人間行動進化学関係の記事を掲載するウェブログ