「ヒトの個体発生」ということで、発達心理学。いろいろ考えると、その前に進化心理学を教えた方がよかったような気がする。いずれにしても来年度は導入部分を書き換えるか、順序を逆にしないといけない。前回はオンデマンドと勘違いをしてかなりの学生が欠席してしまったが、今回はたくさん出てきた。
あと暑いから窓を開けるか、冷房をつけて欲しいです!
窓は自分で開けられます。が、冷房をつけるかどうかは大学当局の判断で、結構最近はセコいので、なかなかつけてくれません。多分次の週 (今日) からは大丈夫でしょう。
発達心理学で学んだことが沢山出てきたので、言葉の意味はある程度わかっていたものの、詳しくは知らなかったので深く知ることができてよかったです。子供が大人の模倣をする例で、舌を出す写真がありましたがすごく可愛かったので自分も試してみたいなと思いました。
自分で子どもを育てていると本当に余裕がないので、産む前に観察する内容をちゃんと書き出しておいて、しっかりやってみてください。
赤ちゃんも魅力的な女性の方に興味を示すのだなと思い、少し悲しかった。
でも、自分もやはり美しいものとそうでないものの判断というのはするでしょう? そういうものなのです。でも、顔とか姿については、努力で結構なところまでいけると思います。
言語の発達においては親が子供に話しかけなくてもいいですがそれ以外の精神的な発達であったりの部分においては意味があるものなのでしょうか?
大人の働きかけが全く意味はない、と考えるのはさすがにいきすぎで、社会性の発達に関しては相互作用は重要です。でも、それは必ずしもアクティブ・ティーチングの形をとる必要はないということではないでしょうか。
アメリカの生物学者ロバート・トリヴァースの提唱した親による投資理論が興味深かった。未熟な状態で生まれるヒトの子に対し、極めて重要な役割を果たす投資をするのが母親に偏りやすいのは、父親の父性の不確実性や子どもをいくらでも残せるという適応上の特徴によるものもあるということで、今まで何となく女性は子どもの面倒をみるものだというような男尊女卑的な考えからくるものだろうという何んとなくでいい加減な認識でいたものへの解像度があがった。
これはとてもよい感想。分かったことをこういうふうにまとめられるのはたいしたものだと思います。
三つ山問題についてよくわからなかった。
教材をもう一度読んでみてください。その上で、分からない点がどこかが分かったら、また教えてください。そこの分からないところを詳しく解説します。
人間の赤ちゃんは未完成のまま生まれてくるが離巣性のような状態なためヒトは離巣性の割にあまりに無力な状態で生まれてくるということをポルトマンが主張したことが分かりました。授業中に赤ちゃんが魅力的な女性のスライドを長く注視するということが書かれていたけれど、男性と女性だったらどちらを長くみるのかというデータなどはありますか?
これは発達心理学が専門の鈴木先生に尋ねてほしいですが、生まれつき男女の好みがあるかどうかはちょっとわかりません。女性に育てられると女性を、男性に育てられると男性を見るというデータはあるようですが、再現性含めて、ちょっとそこらへんは分かりません。ぜひ専門家に。
子育ての負担を集団成員間で共有することをアロマザリングということが分かった。日本ではそれが出来ていないから子供を産むことへの抵抗があるのではないかと思った。
そうではないと思います。男性が育児にもっと積極的な国でも少子化は進んでいます。少子化の進行は基本的には避妊が確実にできるようになったからです。
父親の不確実性や子供をいくらでも残せるという男性の適応上の特徴から母親に投資が片寄ることがわかり、今まで考えたことがなかった内容で、考えてみるとその通りだなと感じました。子育て能力に遺伝的に組み込まれた生物学的な男女差はないことがわかっているとありますが、遺伝子を調べるときにどのようにしたらどれが子育て能力の役割を果たす遺伝子だとわかることができるのか疑問に思いました。
どの遺伝子かは特定できなくても遺伝の影響を調べることはできます。それは以前習った正確心理学における行動遺伝学の働きのところを読み返してみるといいでしょう。
子どもたちが持っている言語本能に驚きました。実験が英語でわかりやすい文法規則があるというのもあるかなと思ったのですがどうなのでしょうか。
日本語でもフランス語でも、同じです。われわれは日本語のネイティブ話者なので、文法規則がどのようなものか意識していませんが、言語である以上、文法があるというのは同じです。相対化は難しい問題ですが。