「進化心理学」の感想 (25 Nov, 2022)

第4学期の「進化心理学」の授業が始まる。前回は2年前 (2020年度) の開講。コマシラバス・文章教材での授業は2020年度から。今回は2020年度に作成した教材を小規模改訂して臨む。金曜の1・2限で8週の予定。

この授業より、人間環境大学方式で、毎回授業終了時に小テスト (成績とは無関係) を行うことにした。結果はあとで整理して公開予定。さて、小テストの結果は期末試験成績をどの程度予測するでしょう。

第1回のSSSMの話 (特に15頁) の内容がイマイチピンときませんでした。マイクロ-マクロダイナミクスのことを考えると文化は個人と文化両方によって作られているのではないかと思いました。

もちろん、そうです。SSSMでは、遺伝的、進化的要因は「全く」考える必要がない、ということが言われていたが、それは違うという話です。

ハーディー-ワインベルク平衡はあんまりあってないのかなと思いました。「全ての遺伝子型の生存率と繁殖率が等しい」とありましたが、鎌状赤血球の話からssの個体は亡くなりやすいためこの条件は当てはまらないため、結果的に劣勢のs遺伝子は減っていくのではないかと思いました。なぜマラリアが流行っている地域ではs遺伝子を持つ個体が多いのでしょうか?

s遺伝子を持っている方がマラリアにかかる可能性が低いというメリットがあるからです。

質問への回答はMoodleの「質問・回答用フォーラム」、daihiko.netどちらで回答されるのでしょうか?

daihiko.netでお答えします。

ポケモン最新作「ポケットモンスタースカーレット・バイオレット」にてパラドックスポケモンという古代種・未来種が登場したため、ポケモンも本当の「進化」をするようになりました。「ポケモンは変態をしている」というネタもいずれ使えなくなるかもしれませんね。

なんと! ただ、進化の定義で重要なのは「集団中の比率」ということなので、ちょっと違うのではないかと思います。

先生の言ったことが目でも聞けるのでとてもありがたい授業。授業内容も面白く、たいていわかったつもりである。ただ、第1回では標準社会学の段の説明が早くサモアの思春期の時点で置いていかれた。トゥービーとコスミデスがロックの主張をsssmと呼び批判した(人間は並べて傾向があるので文化はそんなに関係しない)くらいのことしか把握できていない。第2回だと中立進化説の説明が難しい。分子突然変異が淘汰に中立とは? どういうこと? 遺伝的浮動も語の意味が分からない。

だいたい授業で失敗したと思っていたところです。淘汰に中立、というのは「偶然で進化する」ということです。適応度がどの形質も等しいので、偶然でしか進化しないということです。遺伝的浮動も偶然による変化のことです。ここらへんは教材の加筆が必要ですね。

授業は大変面白いので一限の授業でも頑張る気が湧きます。ただ、私は人文の社会学から来ている (心理学科じゃない) ので、他の人はどの程度授業についていけているのか気になった。

心理学の知識がなくても分かるようにしているつもりなので、なんとかがんばってついてきてください。社会学を学んできた立場からのコメントを期待しています。

先生は、進化的に性善説と性悪説のどちらを信じますか?

進化的には善も悪もない、というのが答えになります。人間は善くもあり、悪くもあります。

やはり人間は役割的にも男と女に分かれているということをこの授業で理解した。そのため、こんなことを言ってしまうと色々な人に怒られてしまうかもしれないが、LGBTQの存在により、種としての人間が弱くなるという見方もできるのではないかと感じた。体の性別が同じ人同士でパートナーになったとしても子孫は残せないためより少子化も進む。また、人工授精を行うことなどにより、障がいをもつ子どもを出産するリスクも上がると考えられるため、より適応的に生きる人間が減ってしまうと考えることもできるのではないだろうか。

それはないでしょう。そもそもそういうひとはごく少数です。「種としての」強さというものも、定義がそもそもできません。体の性別が同じ人に対して好意感情を抱く人はどのような社会でも実子を残さないものです。「適応」というのはある形質を誰もが身につける過程であり、またその適応にしても結果的にしか言えないものなので、そう単純化して考えられるものでもありません。

質問1: 道徳主義的誤謬に関して、“「人とは思えない」と表現”など書かれていましたが、これは公正世界信念(特に加害者厳罰化)と関連がありますか?
質問2: つい先日、人工子宮によって豚が成長したというニュースを目にしましたが、倫理的・技術的問題が解決され人間でも行えるようになったら、不倫に関することなど様々な事柄が大きく変化していきますか?

質問1について、道徳主義的誤謬と公正世界信念とは別の概念です。質問2について、人工子宮はいずれヒトに対しても応用できるようになると思いますが、それと不倫の問題というのはまた別のことではないでしょうか。こういう技術ができたとしても、性行為自体はなくならないと思われるからです。

2限目が始まる前に学生証をかざすのを忘れていたのですが、大丈夫ですか?

かざしてください。あなたの分は登録しておきました。

先生は面白いと思って貰えるか不安だと仰っていましたが、面白いと思っている学生が少なくとも1人は確実に、ここに居ます。正味、内容的にはすごく楽しみで期待しています。今、自殺について、子どもを作る前と作って子孫を残した後、子供を作れる状態になる前の時期・作れる時期・生殖機能が失われた時期の個体では、行われる自殺に質的な差異があるんじゃないかと考えています。個人的な興味のレベルですが。つまり子孫を残せる状態・残す前の自殺と、子孫を残せなくなった・残した後の自殺は異質なのではないか、という仮説が頭をぐるぐる回っています。どう異質なのかについては、未だ予測を立てられてません。自殺を進化心理学的な観点で見る上で、参考になりそうな文献や、そんな研究をしている学者がいたら是非教えて頂きたいです。

ポジティブなコメントをありがとうございます。僕がおもしろいと思っていることを一方的に喋る授業にようこそ。

自殺の本としては、『ヒトはなぜ自殺するのか: 死に向かう心の科学』(ジェシー・ベリング) はいかがでしょうか。

授業中と同様にマーカーの引いた資料をMoodleに上げていただくことは可能ですか?

マーカーを引きながら解説しているのは、単に今どこをしゃべっているかを強調したいというだけで、そこがテストに出るとか、特に重要だ、というわけでもないです。なので、Moodleにはあげませんが、重要な箇所は最初からゴシックにしているので、それを頼りに勉強してみてください。

どのような授業スタイルなのかを実際に受けて、理解することができた。今までの心理学の授業には無かったスタイルだが、個人的には話のテンポも良く、聞き取りやすいので良い授業だなと思った。また、資料の中でここの部分はテストの範囲には入れないなどといった箇所があれば教えていただきたいです。

テスト範囲は全てです。多分脚注からは出ませんが。コマシラバスに履修判定指標があるので、それを参考にしてください。

至近要因と究極要因の違いがいまいちわからなかった。

もう一度教材を読んでそれでも分からなかったらまた聞いてください。授業の中の例では、「化粧は自己満足のためだ」というのが至近要因、「化粧によって異性に対する魅力度を上げる」というのが究極要因です。

2回目の資料、241行目の「つまり、~高くなっています。」の部分は、生存率と繁殖率それぞれ数値的に、RとGは逆だと思ったのですが違いますか?

あ、すみません、逆です!

出席のカードリーダーはやらなくても良いのでしょうか。

やってください。

心理学の先生で不倫はございますか、失礼で申し訳ありません。

ございません。

コマシラバスによって、授業の進行度やこれから学んでいく内容がとても明確になっているため、予習がとてもやりやすくなっている点が、受講生にとってとてもありがたい物であると感じた。

ぜひ予習がんばってください!