ミキサーを使う

遠隔会議とか授業用にしばらくBlue YetiというUSBマイクを使っていたが、教室でのハイブリッド授業用に (といっても実際にやっているわけではなく、やらないといけないかもしれない、と思ってテストをしてみようとしただけだが) YAMAHA AG03というミキサーを購入したので、それにダイナミックマイク (SHURE PGA-58) を繋いでみたところ、どうもUSBマイクよりもよいかんじであることがわかった。「いっしょですよ、そんなの」といかにも言いそうな井川純一博士が「違う」というのだから間違いない。

ところが、学内に作ったオンライン授業用の簡易スタジオにあったAudio-Technica AT857D を試してみたら、これがもっとよい。しかし、そのスタジオでは3万円以上するこのマイクを、10万円以上する素晴らしい配信用スイッチャー (Roland VR-1HD) のマイク端子に直挿ししており、録音してみるとノイズが気になる。色々調整すると若干減らせるものの、音自体はよいが、ノイズが気になってしょうがない。一応、Roland社のサイトにもノイズについては以下のような説明がある。

ビデオ・スイッチャーという製品の性質上、V-1HD 本体のマイク入力は外部ミキサーがない場合の簡易的なものとして設計しています。

【 V-1HD 】 V-1HD の MIC 端子にマイクを接続して音声を入力すると、ノイズが気になります。

ビデオスイッチャーは画面を切り替えるのが専門であって、音をこれでなんとかしようとするな、ということのようだ。スイッチャーにミキサーをつけるのが一番よいのだろうが、そもそもZoomを主に使って配信する場合にスイッチャーが必要かどうかはよく考えた方がよい。書画カメラを使ったり、複数のカメラを切り替えて使うようなことをするのでもない限り、スイッチャーは無用の長物だろう。画面にレジュメなりスライドなりを映しながらしゃべるような授業形態の場合、必要なのはスイッチャーではなく、ミキサーとよいマイクだ。

ということで、研究室はAG03 (ミキサー)とAT85D (マイク) をケーブルで繋ぎ、マイクスタンド (AT8655) を設置して使うことにした。マイクはグースネックタイプで、これを直接ミキサーに挿すこともできるが、そうするとミキサーをキーボードの横あたりまで引き出してこないといけない、邪魔だ、ということで、ケーブルで延長して手元にはマイクスタンドとマイクだけが来るようなやり方にしたわけだ。

会議や授業では正直顔はどうでもいいが、音だけはとにかく気をつけたがほうがいい、ということで、若干高かったが (全部あわして4万円ちょっと)、これは劇的に変わるので超おすすめ。スイッチャーを使う場合も、ミキサーを介したほうがよさそう。今回購入したのは以下の4点。

  • YAMAHA AG03 (ミキサー)
  • Audio-Technica AT857DLL/C (コンデンサーマイク)
  • Audio-Technica ATL457A/3.0 (マイクケーブル / 同等品で可)
  • Audio-Technica AT8655 (マイクスタンド)

なお、今回使ったのは電源が必要なコンデンサーマイクなので、ファンタム電源が必要になる。AG03はちゃんと対応しており、+48Vのボタンを押しておくとよい。なお、このボタンを押した状態でマイクを抜き差ししてはいけないようなので、注意。