「心理学」の感想 (12 Apr. 2022)

教養心理学。今年は3年目にして初対面だが、2023年度以降の教養心理学担当からは外れる予定なので、最初にして最後の対面。この内容は手直しした上で、次年度以降心理学概論で展開する予定。1回目の授業は「心理学とは何か? (心理学論)」。そもそもこの授業全体が「心理学とは何か」を語りたい授業なので、第1回目は授業のメタ的な内容ということになる。構成概念の話を説明するのはたいへん難しい。履修者数は297名。あと3名まで増える可能性あり。座席指定をして可能な限り間を開けるように着席させたが、それでも隣同士のところが出てしまうのはやむを得まい。まだリアクションペイパーを書いていない人もいるようですが、とりあえず現段階まで来たものに返信しておきます。質問追加 (13/4/22)。

仮説的構成概念の対象にアドレナリンは含まれますか? 理解が難しいですが、「あの人は興奮しているな」という客観的意見が傾性概念で、「あの人はアドレナリンが出ているから、興奮しているな」という意見が仮説的構成概念であると言えますか?

アドレナリン自体は概念ではなく、実体なので、仮説的構成概念ではありません。「興奮」は扱い方によっては仮説的構成概念として扱えると思います。興奮状態は生理的な根拠がありますし、それによって行動の予測がある程度できます。

こころが何かと言われて自分はその人の持つ複数、というより全ての価値観 (もっと具体的に言い換えると判断基準?) が絡み合ったものじゃないかと思ったんですけど、先生自身はこころという概念に対してどのような認識をしているのでしょうか。多分心理学を学べば学ぶほど簡単には答えを出せなくなる類のものだとは思うのですが、もしよろしければ教えて頂きたいです。

それを15回使って説明しようとしています。僕は「こころ」というのは行動を後づけで説明する便利な道具だと思っています。こころは行動の「原因」ではなく、行動そのものです。

ドコモ回線が悪いのか、授業中にMoodleを開けないため提出が遅れることがあります。宜しくお願いします。

ドコモ回線が悪いので仕方ありませんが、大学のWi-Fiがあるのでそれを使いましょう。「shudo apn」というのがあります。alpha認証でいけます。

凄く優しそうな先生でよかったです。

学生もみんな優しいといいなと思っています。駄洒落を言ったときにはつまらなくても多少笑ってください。

自分が思っていたよりも、心理学という内容は複雑そうだと感じました。ただ、先生が話してくださる具体例の例が分かりやすくて付いていけています。ありがとうございます。

具体例を話さないと「分かった」感がないので入れるのですが、これは怖いところもあるのです。分かった気になるけど分かってない、ということが結構あるので、できれば抽象的なレベルで分かってもらえるのが一番ですね。

毎コマで配られる資料は、全てに目を通して読んだ方がいいですか??

渾身の教材なので、ぜひ読んでください。どうでもいいことも書いてありますが、読んで分かるように書いてあります。

心理学科なので、話してる内容は理解できた。しかし難しい言葉が多いので、他学科の人たちはどれくらい理解できたのだろうと思った。中西先生の教材や説明は1つ1つを丁寧に説明していますが、「話がうまい人は話が短い」という事も聞きました。(予備知識がある・ないもありますが) 話を丁寧に上手くしようとすると、中西先生くらいの説明の長さになるのでしょうか?

説明はいろいろなレベルがあります。分かっている人は1つのテーマを1分でも、10分でも、1時間でも、10時間でも話すことができます。与えられた時間によって解像度を変えて話すことができるひとを専門家というのです。

恋愛心理学とか大学で講義とかないのは、恋愛心理学という学問が確立されてないからですか?

あります、恋愛心理学。社会心理学とか進化心理学の一領域と考えたほうがいいかもしれませんが、そういう授業を開講している大学もあります。

心理学がなにかよく分かった。

いや、まだ早い。もうちょっと、「わからない」でいてほしい。

なぜ「行動心理学」ではなく「心理学」なのですか?

心理学で扱っているのは「行動」だからです。わざわざ「行動心理」とは言わないわけです。行動 (ビヘイビア) でない心理はないので (言い過ぎかも)。

素人の考える心理学のうち感情を研究したりするものは多くは臨床である。合ってますかね。

そうではないと思いますが、それは今後授業の中で分かってもらえたらいいかなと思います。

素人が勘違いしてる事なら学ぶ必要がないという事に納得し、素人なりに頑張って受講じゃあと思いました。

そうじゃ、やるんじゃあ。

1時間30分たっぷり授業していただけたら嬉しいです。

がんばります。

こころとは何かに答えはあるのかが気になります。

「答えのない問い」なんて言う人がいますが、間違っています。答えのないものは問う意味がありません。必ず答えはあります。ただ、人によってほしい答えは違うかもしれません。

リアクションペーパーは何文字程書くのですか?

多くて140字もあれば十分です。

先生の話すスピードも丁度よく聞きやすかった。

もっと早口で詰め込みたかったんですが、倒れそうなので、このくらいにしました。

質問なんですが、文章中にたまにある棒線になにか書き込むのでしょうか? それともそのままでいいのでしょうか?

あれ、重要な部分にアンダーラインを引いているのです。だから、そのまま「大事な言葉なんだな」って思いながら読んでください。

反証可能性のところが少しわからなかった。

「誰でも証拠を集めて反論できる」くらいの意味で理解しておいてください。

質問ですが、ロボット等の物も心理に該当すると言っておりましたが、椅子や机等の完全な物 (例えば地震によって物が落ちたや、ボールが地面についた) も心理学に該当しますか?

物理現象だけでは心理学は扱わないですね。

特になし

何かあってほしい。必ず何か分かったことを書くようにしましょう。

心理学のこころの法則性とは具体的にはどのような法則を意味するのでしょうか。

授業の中で、これまで分かった法則性については紹介していきます。お楽しみに。

傾性概念だったものが理論的構成概念となる場合があるということは理解できたのですが、理論的構成概念だったものが傾性概念となることはあるのですか?

実はその根拠がないことを示されればそういうこともあると思いますが、ちょっと具体的な例については浮びませんでした。傾性概念か理論的構成概念かは、結局観察に還元できるかどうかなのですが、何を「観察」とするのか、ということを考えるとそれほど単純に区別できるものでもないと思います。

傾性概念、理論的、仮説的概念の説明が全く分からなかった

教材を一度読んでみて再度どこが分からなかったか、行番号で質問してくれると適切にお答えできるかもしれません。

また、心理学は楽しそう!! という期待をしていたが最初の授業を受けてみて、難しい印象があった。(これは科学の個別化の問題になるのかという疑問) これも心理学となると考えると、頭が痛くなってきました。また、機能主義の動物とロボットで刺激を与えて反応を観察し、心理学者は外側だけを理解する?というのがよく理解できなかった。

結局、行動を測定でき、刺激と反応の関係を検討できるものであれば心理学の研究対象となるのだから、その対象は別に人間に限らないし、そもそもこの心理学のパラダイムでは人間とそれ以外のものを区別することすら難しいということです。