「心理学」の感想 (29 June 2021)

正直、自分では完全に専門分野外で最も知らない領域といってもよい臨床心理学。どうも教材もいかにも教科書主義的な内容になってしまっており、太字が多いという指摘がちらほら。例えばフロイト論など、僕独自の議論の展開ができているとは思えず、自分としても完成度はあまり高くないと反省しています。

ほかの講義でマズローの欲求階層説を聞いたことがあったけど、それが三角のピラミッドでしか見たことがなかったけど本当は三角形ではないということを初めて知りました。平均への回帰で子供の身長が背の高い親の身長より低く生まれる可能性が高くなることがわかりました。

もっと知ってほしいのは、マズローの欲求階層説には明確な科学的根拠がない、ということです。これは一種の人間観で、こういうふうに人間を見ることで分かることがあったり、実践に活かせるかもしれない、程度に考えておいたほうがよいです。僕としてはもう学校で教えるような知識ではないと考えています。

欲求の最後の自己実現の欲求が満たされたとき、人間はどのようになるのかに疑問に思いました。

ニュータイプになるのさ。

臨床心理学について理解できました。

後半になってもまだこの手のリアクションペイパーを書く人がいて猛省を促したい。理解できているわけがないじゃないですか!

同じく⼈間性⼼理学で有名なのはアメリカのアブラハム・マズローである。マズローは欲求階層によって、⼈間の欲求を⽣理的欲求、安全と安⼼の欲求、愛と所属の欲求、⾃⼰の尊厳と他者尊重の欲求、⾃⼰実現の欲求5段階に分けて、低次の欲求が満たされることによってはじめて⾼次の欲求への注意が引き起こされると考えた。以下のような三⾓形の階層モデルが有名である

どのような? こういうふうにコピペで済まそうとするから、リアクションペイパーとして意味をなさない文章を貼ってしまうのです。全部読んでいますよ。

使われている手法などを覚えるのが大変でした。外国の方と日本人が共同してつくっているものもあって驚きました。

そこは驚くべきところなのだろうか。鎖国しているわけでもないのだし……。

自然回復率のところで平均への回帰が解決方法として挙げられていたが、その平均はどのようにして決めているのか疑問に思った。

平均の求め方は知りませんか? 得られたデータの合計を得られたデータの数で割ると得られます。そういうことではないのだろうか?

公認心理士を目指して臨床系の科目も履修している身としては、今回の内容が一番記憶に新しく、馴染みのある内容であった。基礎心理学が平均の心理学であるのに対し、臨床心理学は個別化の心理学であるということが分かりました。ただし、個別化の実践だけでなく、科学的な知見に基づいた裏付けが必要であり、その根拠を分析して実践に持ち込むには膨大な量の証拠と統計手法などを身に着けていなくてはならず、そのバランスの良い在り方を科学者-実践家モデルということもわかりました。臨床心理学の源流が精神病と学校における不適応時への対応であるということも初めて知りました。

この授業を受けていて感じるのは、マジカルナンバーといい、マズローの欲求階層説といい、「これまで当たり前でそうである」と思っていた内容が実は根拠に乏しかったり説明に十分では無かったりすることを知るため、自分の中の常識が覆される恐ろしい感覚です。勉強になるため、受講して大正解だったと思います。歯に衣着せぬ物言いが爽快で大好きです。

例によって誤植なのですが、50の引用のかっこ2015の後に不自然なaが入っています。また、307からの説明文で、単語の説明のためにかっこが使用されていることもあり、かっこを外して読んだ際に「自我は本能エネルギーであるエス、超自我、外界からの要求に対してバランスをとる。」という文章になり、読んでいてひっかかりを覚えました。その後もブツ切れのような文章の運びなので、すこし推敲してみてはいかがでしょうか。

この「不自然なa」は、あえて入れているのです。同じ著者、同じ年の論文を2本引用しているのです。それを区別するためにaとbとしています。その後の点について文章を見直してみます。いつもありがとうございます。「自分の中の常識が覆される恐ろしい感覚」というのはたいへん嬉しいコメントです。しかし大学の授業は全部そう思うようなものでなければいけないとも思います。

査定のことですが、よくネット上にある「あなたは森を歩いていると、動物に出会いました。いったいどんな動物ですか」みたいな心理テストは心理学上きちんと根拠のあるものなんですか?

ないです。

多くの研究者が人の心理を探るために研究を重ねていることが分かりました。しかしわかっていないことも多く、資料を読むにあたって人は研究で計り知れないのではないかと思うことがありました。また、研究者の人たちはその研究結果から何か成し遂げたいことがあるのか疑問に思いました。結果をだしたその先に何を求めているのでしょうか。教授はどうですか。

これはある意味厳しいコメントですね。われわれ心理学者の研究に関していえば、自分たちの研究によって人々の人間観が更新されていく、ということは「求めている」ことの一つになるかと思います。ふつうの人が気づいていない人間の側面に光を当てるのはわれわれの重要な仕事です。実際、この教材を読むことでみなさんは心理学であるとか、心理学者である僕の人間観に触れることができます。それであなたは何か変わりましたか? 何も変わっていなければ僕の仕事は不十分だったことになります。

人名を覚えるのが大変だった。全体的にあまり理解できなかった。

そんなことはないでしょう。どこがどう理解できなかったのか、ちゃんと教材に向き合いましょう。読書百遍意自ら通ずです。

親が190センチだったらそれより高い身長を持った子供は生まれないということがとても面白いと思った。もうあと身長が3センチ欲しいです。誰か分けてください。

いや、生まれますよ。生まれにくいだけで。あなたの成長は年齢的におそらくもう止まっているので、ストライプ柄の服を着るとか、厚底の靴を履くなどして工夫しましょう。あと、知覚心理学のところで学んだ錯視を利用するのもよいでしょう。それでこそ策士です。さくしだけに。

構造化の程度について理解できました。

このコメントはおかしいと思います。

臨床心理学は他の心理学の分野とは違い、個別の心理について研究・対応する学問ということが分かりました。一人の鬱患者がいた場合、その人だけに対する心理を研究し、その人に対してだけのアプローチを行う。これが臨床心理学の基礎であり、一番普段の生活に馴染みある学問だなと感じました。特に、ACTとCBTに関心を持ちました。ACTは自分の問題となる心理に向き合い、認知を変えない療法であるのに対し、CBTは問題となる心理を否定し、認知ごと変えてしまう療法ということでした。このことについて私はCBTはあまり良くないのではないかと思いました。自分の自然な心理に噓をつくことは不自然なことであり、不自然な心理は窮屈で、根本的解決には至らずに長続きはしないのではないかと感じたからです。

そもそも「根本的解決」ということ自体を疑うのがこの手の療法だと僕自身は理解しています。別に根本的に解決しなくてもいいじゃないですか。楽しく生きられたらそれでいいじゃないですか。嫌いなものがあって食べられない、だったら、食べなきゃいいじゃないですか。そういう考え方ですよね。また、別に「嘘をつく」ことを求めているわけでもないです。そういうふうに実際に思うように仕向けるわけですからね。

講義資料3枚目の69行目、クリテスティアーナさんのスペルを見るとChristianaとなってるので正しくはクリスティアーナで、テは誤字かなと思います。お身体をお労りください。

ああ、本当だ。誤植ですね。ありうがとうございます。

全く同じ言い方ではないものの、DSMの内いくつかはよく聞くものだったが、精神疾患に21もの種類があるのは知らなかった。そこで抑うつ障害群や性別違和など、気になったものをいくつか調べてみると、さらに症状ごとに分類されており、大概の人は何かしらに当てはまるのではと思った。これまで自分は「障害者」とは程遠い人間だと思っていたが今回の授業を通して、急激にそれを身近に感じる事になった。うつ病と思考の関係性が気になります。一つの事象に対する思考の量と時間が多ければ多いほどうつ病を誘発しやすいのでしょうか。それともそれらに関係なくうつ病が原因で思考に影響が出るのでしょうか。

それが障害であるというからには、生活上困っていることが必要になります。必要になる、というのは変ないい方ですが、困っていることがなければ対策も必要ない、ということです。うつ病の原因等に関しては全く専門外で僕には分かりません。ある種の思考スタイルとはおそらく関係があるでしょうが、それが原因かというとそうとも言い切れないのではないかとも思います。

臨床心理学で、思い出したのですが高校生の時に1年間ほど精神科に通っていたんですけど心の病気って薬でなおせるものなんですか? 個人的には病院の先生はとてもやさしい人だったのですが話を聞いてくれた後も、薬を処方してもらった後もそれほど変化がないように感じましたね。ただ、通っていることで安心感のようなものは得られていたとは思いましたね。

精神科に行ったら薬はふつう使いますね。もちろん効くものを薬というので、意味はあると思いますが、人によってあうとかあわないとかといったことはあるでしょうね。

臨床心理士という言葉自体はテレビなどで聞いたことがあったが、こんなにも実験やら来談者を知る手段があったことに驚きました。いろいろなテストやら考えることは絶対簡単なことではないのでもしかしたら心理学者の人たちは画家の人みたいな独創的な考え方をお持ちになられているひとがおおいのではないでしょうか。

今回登場したメタ分析 (ある一つのテーマについて研究した複数の論文からデータを取り出し、まとめて分析する方法) なんですけど、新しくできた実験結果についてこの方法を使って確かめると思いますが、一時期流行ったSTAP細胞の時にもこういうメタ分析をしたのでしょうか。

学者は心理学にかかわらず、もちろんみんなある意味「独創的」ですよ。そうでないと仕事にならないので。STAP細胞についてはメタ分析以前の問題が露呈したということなのだろうと思います。捏造があることが分かったとか、追試が成功しないという段階でそれ以上の実験にはあまり意味がないですよね。

328行目〜 ユパ様や鱗滝左近次のような人が老賢人の典型である、と言ったように例を用いてくれるととても想像しやすくわかりやすかったです。また、勉強とは少し離れたキャラクターの話を持ち出すことによって興味が湧いたことも確かです。マズローの欲求階層説によって人間の欲求を5段階に分けていて面白いなと思いました。だけれど、私的には上から、自己実現の欲求、愛と所属の欲求、安全と安心の欲求、自己の尊厳の他者尊重の欲求、生理的欲求だと思いました。先生はどう考えますか??

教材を読み込めば、自己実現が頂点に来るのがおかしいというところに、394行目からの議論で気づいてもらいたいところです。

今回の授業では、臨床心理学の研究されてきた内容やその実践について学ぶことが出来ました。うつ病やPTSDなどは有名人の方々が公表されているので身近なものに感じました。マズローの欲求階層説は高校の倫理だけでなく家庭科でも習ったので印象に残っています。

根拠が怪しいものだということも覚えておきましょう。