第11回は、発達心理学に続き、進化心理学のお話。ここは誤解が多い領域なので要注意 (90分1コマでどこまでちゃんと理解してもらえるか……)。ポケモンが実は変態だと言うことが分かって衝撃を受けた人が多すぎると思う。
以前読んだ、浮気された女の人が「男が不倫するのは本能だから仕方ない」と言われたと同僚の男性に相談すると、「本能かもしれないけど、人間には相手の気持ちを考えたり後のことを考える理性があるからその男は人間じゃないね」と返されたという内容の漫画を思い出しました。自然主義的誤謬という理論があって安心しました。
それはどちらかというと、「女は浮気好きな男を嫌いという本能があるから、一生あなたは一人でいなさい」と切り返すべきだったかもしれない。理性も本能。
しかし、私たちは損失があった場合に次は失敗しないという気持ちがあるから様々な場面で進化してきたのかなと感じました。トレードオフは私たちをより進化させるためにあるものと考えることができました。
感情面でそれを支えるのは「後悔」なのだと思います。
自分が今までに感じていた、配偶者選考のパターンを心理学的に証明できていることに驚いた。まず、女性は経済力のある男性を選ぶ傾向にあるが、これは資源を十分に確保できない女性が社会的に力のある男性を選ぶためである。しかし、これは昔の話で現在は女性も社会的地位が向上しているので、経済力がある男性を選好する傾向は薄れていっていると思った。
そんなことはないですよ。相変わらず貧乏はモテません。男性も女性もここから解き放たれるとよいのかもしれませんが……。
将来の自分のパートナーを疑っているわけではありませんが、生まれてきた子供がもし自分の血が繋がっていたい子だったらと考えると、確かめたいからDNA検査をしたいっていうのもなかなか言えるものではないと思うし、そのことがチラついて目の前の我が子を素直に喜ばないのと酷な話だなと思いました。
ところが、別に血が繋がっていない子どもであってもふつうに愛することはできるものだし、可愛がって育てた子どもが実は他の男の子だった、という場合にも多くのケースで愛情が薄れたりはしないものです。
進化にも様々なことがあることがわかった
いや、分かっていない。例えばどんな様々か書いてみなさい。
不倫をせずに子供を育てる上で必要な資源を提供してくれ、できたら積極的に協力してくれる、そんな人が女性側にとっては望ましいと最近思うのですが、実際そんな奴はいない、と嘆く自分もいます。最終的に自分たちに資源を提供してくれる状況が保てれば、浮気は見逃すべきなのか、など妥協も必要なのかな、と思ったりもします。稼ぎもあって、子どもを産み育てるのに大したリスクもなく、いつまでも生殖能力のある男性に溜まっていた不満がプチ爆発しました。
とても些細な事ですが、296の最後の方「若く見えり」となっていますが、「若く見える」だと思います。元文芸部の性で無視ができませんでした。もし出版されるとした際の手間を少し省いたぐらいにポジティブに考えておきます。いつも余計なことをしたとネガティブに考えてしまうので……。
男性側の最大のリスクは「モテない」ということです。一部のイケメン金持ち男性が女性を独占してしまい、キモくて金のないおっさんはどうしようもない立場に追い込まれます。女性の方が男性よりも、相手に求めるものが厳しいのです。なお、不倫をせずに子育てしてくれるいい男性もいます。ただ、そういう男性でさらに金があってイケメンというのは少なくなってくるかもしれない。男性を住まい選びみたいな感覚でやると苦しくなってきます。「絶対1階はだめ」とか「バストイレ別は譲れない」とか、ごく一部、絶対許せないところを避けるようにしてあとは寛容に選ぶようにしましょう。誤字の指摘はたいへん助かるので、絶対遠慮せずしてください。ありがとうございます (ここは他の方も指摘してくださいました)。
ポケモンのように一世代だけで起こる進化のことを変態と言うことがわかりました。わかりました。
大事なことだから2度言ったのですね?
ポケモンの進化は実は進化ではなく、変態と呼ぶ方が正しく、本当の進化とは、集団の中にある遺伝子頻度が時間とともに変化することだということが分かった。
関係ないかもしれませんが、ちょいちょいポケモンネタが入ってくるから、わかりやすいし面白いです! (個人的には)
実は僕それほどポケモンに詳しいわけではなく、ポケモンGOのことくらいしか知らないんですが、なんとなく、ポケモンは平和かなと思って……。
資料内でポケモンというワードが出てきたのですが教授の一番好きなポケモンは何ですか? ちなみに私はレントラーが好きです。ポケットモンスタープラチナで育てていたので。
レントラーいいよね。僕も割と好き。ミュウが一番好きかなー。ゲンガーとかカイリキーあたりも。
進化というより変化なのだなと思いました。仮にチンパンジーが進化するとしたらチンパンジーでも人でもない新たな分類になるのでしょうか。
もちろんそうです。変わることを進化というのだから、変わったらもうそれはチンパンジーではないし、進化は逆戻りしないからヒトに進化することもありません。どんなふうに進化するか、われわれが知ることはできませんが……。
245行の父性の不確実性が気になった。女性がたくさんの人と性行為をしていて妊娠した場合、誰の子どもかわからなくなる。実際、血がつながっていなかったのに自分の子どもと思いこみ過ごすという例もある。こういうことを避けるためにも、DNA検査を受けるべきだと私は思った。
別に自分の「本当の」子でないからといって不幸なことはないし、養子を育ててもかわいいのだろうし、そこまで気にする必要はないと思います。進化的な成功と人間の幸福は必ずしも一緒ではないので。
男性が若い女性を好むのは、後世に子孫を残すために妊娠確率の高い女性を選ぶからであり、女性が金を持っている地位の高い男性を好むのは妊娠中の資源獲得や身を守るためであるということが分かりました。これをふまえると人間にはバイセクシャルの人がいたり、熟女が好きな人がいたりと学的に反しているような配偶者選好も多々あり、不思議だなと感じた。
多様性をうむのも進化で、その多様性が進化の原動力となっているのです。なので、いろいろいる、ということがとても大事。
進化の定義についてポケモンの1世代内で起こる個体レベルの変化は「進化」ではなく「変態」であることが今年一番の衝撃でした…。最初読んだときは一瞬思考が止まってしまいました。小学生からポケモンゲームにはまり、そこで「進化」という言葉を知り、そこからずっと「進化」はパワーアップしたり姿が変わるという概念を持っていました。これからはポケモンゲームをするときはポケモンの個体レベルは「進化」ではなくて「変態」であると覚えてやっていきたいです。
よかったです。でも、本当にポケモンというのは進化を誤解させる上で大きな影響力を発揮していますねえ。
今までの研究の中で興味が深かった研究はありますか?
僕がやってきた研究は全部興味があってやってきたものなので、それです。https://www.daihiko.net あたりをご覧ください。
ところでポケモンが進化ではなく変態していたとは驚きだ。つまり「デジモン、進化〜!」ではなく「デジモン、変態っ!」だったということか。また一つ賢くなった。
確かに……。
自然淘汰の前提が偶発的な要素ばかりになることで進化の妨げになり、種が保たれるのでしょうか。
ちょっとこの質問の意味が分かりませんでした。教材のどこに書いてあったことでしょうか?
今回の講義ではトレードオフについてのところが印象的でした。何かのビジネスなどの取引だけでなく、人間関係においても利益と損失が生じるということがあることは理解しているつもりですが、将来を予測することができない以上戦略を練ることも難しい。その時その時で最善だと思える選択をして、いろんな失敗や性交を活かし、進化していきたいと思いました。
性交ではなく成功あとは思いますが、進化するのはあなたではありません。個人は進化できません。あなたはピチューからピカチュウにはなれないのです。一生ピチューです。
l.106~107の「移住によってある島の住人の目の色や毛髪の色の比率が変動する」というのが印象的でしたので調べてみましたが、、何も見つかりませんでした。
引用しているように、長谷川・長谷川 (2000) に書いてあります。図書館にありますよ。とはいえ、ここも1段落でざっくり書いてあるだけですが、例えば安佐南区に金髪白人が10万人くらい移住してきたら比率は変わりますよね?
私は小学校に入ってからポケモンにハマっていて (19歳現在も)、新しいポケモンの進化にはそれなりに興奮していた。しかし、ポケモンにおける進化は実際は「変態」という名称であるという事実に動揺が隠せない。えっ。ってなった。
また、私は人文学部英語英文学科に所属しているということもあって、毎回のシラバスを見る時に名称や用語のとなりにある () 内の英語にいつも注目している。今回の授業では「淘汰」という用語が何度も登場しているが、「淘汰」に相当する英単が”selection”であるということに驚いた。逆に、日本人は”selection”という単語をなぜ「淘汰」という言葉を使って表したのか、そういう変なとこに目がいってしまった。
先生はポケモンの進化が実は変態だという事実を知ったとき、どう思いましたか? 教えてください。
英語表記はどちらかというと自分用に書いているのですが、こうやって読んでくれる人がいるんですね。なお、進化生物学におけるselectionという用語は「淘汰」だけではなく、「選択」と訳される場合もあります。「自然淘汰」でも「自然選択」でもよいのです。僕はもともとポケモンのは進化じゃないだろ、と思っていたので、大丈夫でした。
心理学の授業を一番最初に受けた時と同じだ。毎回、「本当の心理学」は自分自身が思い込んでいた心理学とかなり乖離している。ポケモンの進化こそ私の知りうる進化の一つであると思い込んでいたが、変態と呼ばれる現象だったと知り、なぜかがっかりした (なら、メガヘンタイか……と安易に思い浮かんだ自分にもがっかりした)。しかし同時に心理学の観点における名称などを知れたりすることは心理学を学ぶ上で毎回興味深いと感じる点である。このように自分の固定概念化してしまっている誤解が解けることから、やはり心理学を学ぶことは発見が多いなと感じた。次回も主体的に学んでいきたい。
すばらしい。今度からメガ進化などと言わずにちゃんとメガ変態と言うようにしましょうね。
今回の授業で分かったことは、トレードオフは自分たちの身の回りにあり、ハイリスクハイリターンな考え方だと分かった
違います。346行目からの段落を読み直してください。
また、性淘汰に関しても面白いと思いました。もちろん自然界でオスがメスに選んでもらうために羽や角を大きくしたり、巣作りを頑張ることは知っていましたが、人間界でも同じような事が起こっていると考えると面白いです。確かになと思いました。女は顔、男は金こんな言葉を聞いた事があります。そんなことは無い愛が大切なのだ。人間の本質は前者だったなんて、ロマンチストが泣いてしまいます。経済力と外見が愛の根源であるのかもしれないです。
ロマンチックな映画でもたいてい金持ちの男と美人な女が出てきますよ。
たしかに男は労働以外をする余裕ができてしまったから、将来は子育てもしなければいけないのかなあって思うと胸が痛いです。
子育てをしたくなかったら、子どもを作らないという選択もある。しかし今時子どもはほしいけれど子育てはしなくない、などという男はモテないだろうね。専業主婦願望のある女と結婚すればそれはできるかもしれない。でも、一言言っておきたいのは、子育てもわりと楽しいということだ。たいへんなことばかりではないよ。