「心理学」の感想 (11 May 2021)

認知心理学の1回め、記憶の話。なお、この授業は昨年度、今年度とMoodleによるオンデマンド方式だが、昨日から本学では全ての授業が基本的にオンラインになった。ところで、このリアクションペイパーへの返信「感想」と確かに書いているのですが、みなさんは必ずしも「感想」は書かなくてもいいです。「驚きました」というのが多いのですが、そこまで驚いてないでしょ? 感想は書かなくてもいいんですよ。「これからはほげほげしようと思う」みたいな反省もなくて大丈夫です。授業では理屈がわかってもらえればいいのです。それによってみなさんを倫理的にしようという狙いはないのです。「ほげほげが分かった」だけでも十分です。でも、ちゃんと分かった内容を書いてください。全員のお便り、ちゃんと読んでいます。

今回の講義で1番興味を持った主題細目は、「物を見るしくみ」です。知覚心理学の研究対象として中心的な位置を占めるのが視覚です。まず、私たちヒトの眼がどの仕組みで物を見ているのかを確認します。見る仕組みについて学ぶ上で、有益と考えられるストラットンの逆さメガネ実験を紹介します。逆さメガネの実験は、物理的に網膜上に写っている映像を逆さにした場合、実験には網膜には逆さに写っているのだから、それを元に戻した場合に私たちがいかにそれに適応していくか理解する必要があります。次に、私たちがどのように色を知覚するのか、そもそも色とはなんなのかを色彩の3属性、ヤングヘルムホルツ3色説やリングの反対色説などの歴史的に重要である色の知覚に関する論争を紹介することで学ぶことが理解できました。また、形の知覚では、知覚心理学の花形でもある錯視の研究を紹介します。なぜ花形かというと、物理世界と心の世界の違いです。つまり、われわれが物理世界をそのままに見ているのではなく、歪んだ形で見ていることを最も直接的に、強いインパクトを伴って示すことができるのが錯視の研究だからだと思います。

しっかり書いてくれて嬉しい。のだが、これ、前回の授業内容です。

学校の先生たちは何度も同じところをやるように教えてくるのは忘却曲線の研究結果も関係しているのかなと思った。

そこまで考えていないけれど、「何度も教えないと忘れる」ということは経験的に知っているでしょうね。

疑問というか気になる点は、性的虐待が (思い出される) というエピソードは、つまり洗脳に近いということでしょうか? 人に「しただろ!」と言われ続けると、勝手に記憶をつくってしまうということ? デジャヴと呼ばれるものと関係があるのですか?

デジャヴとは異なる現象ですが、確かに洗脳には近いと言えるかもしれません。ただ、この場合、思い出させる方も「善意で」思い出させようとしているという点が異なるような気がします。本当にそういうことがあったに違いない、と思って必死で思い出させようとするので。

認知とは何かについて知ることができました。

じゃあ、認知何ですか? もっと詳しく知ったことを書こう!

音節などを使って研究している事がわかりました

何を? もっと詳し (ry

潜在的知識と手続的知識の具体例をイメージすることができなかったため、うまく理解できなかった。

「宣言」的知識ね。これはちゃんと具体例を176行めからの段落で書いているから読んでおきましょう。

ロフタスの目撃証言に関する研究からは、冤罪が発生する原因について理解できた。また、そもそもありもしなかった記憶が作り出されるという事例からは、日本の袴田事件が思い起こされた。人間の記憶 (証言、認知) が必ずしも正確とは限らないにも関わらず、何故事件の証言や記憶は安易に信用されてしまうのか疑問に思った。

これは全く内容と関係ないが、本当に間違える人が多いので一応指摘しておきます。これは大学の研究者でも結構間違えます。「拘らず」です。「関わらず」ではないので注意しましょう。ひらがなで書いたほうがいいですね。「関わる」と「拘る」は意味が違うんです。というのは、さておき。なぜ正確ではないのに、それが信用されるのか、というのはたいへん重要な問いですね。僕にも分かりません。正確性に疑問があるならみんな信じないようになればいいのに、どうしてでしょうね。

私もこの春休みに車の免許をとり、教官に珍しいといわれながらマニュアル免許を獲得したので具体例がとても身近に感じた。後輩にサークルでアーチェリーを教えているときも、教えていることといざ自分がやっている時では違うことをしていたりするので反省した。心理学概論などでマジカルナンバーを学び、そうなのか面白いな、と思っていたので、ミラー自身が判断を保留する、と述べていたので驚きました。容量がそれぐらいあるのだと思っていたので、そうではなく処理できる容量であるということを学びました。今回の資料はすこし少なめで、読み終わりが早いと思いましたが、もしかしたらこれまで4回文章を読み込んできて慣れてきたのかもしれません。凄く楽しいです。でもきっと心理学科でなかったらくじけていたと思います。

マニュアルは珍しいですね! うちにある2台の車はいずれもマニュアルです。変速操作をわざわざ機械に任せるなんて意味が分かりません。文章を読むというのは訓練が必要で、何度も読んでいるうちにどんどん慣れていきます。楽しいと思ってくれて嬉しいです。本当は対面でこの教材を配りつつみなさんの反応をみながら (こういう形ではなく) やりたいですけど、今の状況だと自分のペースで学べるこれが最適解かなと思います。

小テストで、「エリザベス・ロフタスの研究によれば、どんな関心度が高ろうと、人の目撃証言は必ずしも信用できない」という⚪︎×問題で、資料を見返してもどちらなのか判断できなかった。もう一度見返してみようと思う。

「確信度」ですね。○です。確信していることと正しさとは関係ないので。

趣味程度ですが、海外の実録犯罪をネットや書籍で調べたり、犯罪学について軽く勉強しています。今回の授業の最後「目撃証言は信用できるか?」は、今までの授業で一番興味深かったです。今後犯罪に少しでも触れる回はありますか?

この授業の中ではありませんが、他に心理学科では犯罪心理学の授業を開講しているので、都合がつけばそちらを履修してみるというのもいいかもしれません。 

よくクイズ番組で数字が羅列されていて、ここは何のような問題が出されることがある。私は、そういった類のものが苦手だ。しかし、チャンクを利用することで記憶容量を減らせることが分かった。個人的にここ最近で一番の学びになりました。ありがとうございます!!!

僕の教材は全部「一番の学び」になるはずなので、これからもがんばってほしい。

ポケストップを中西教授が作ったというのは本当ですか。

そうです。中西教授が作りました (1箇所だけ僕が作っていないものがある)。

P13の299行目 加害者ではなく被害者ではないでしょうか。

これは「加害者を」見間違えるということですが、ちょっと分かりにくいですね。来年向けに直しておきます。ありがとうございます。

エビングハウスの忘却曲線は高校の保健の授業で存在は知っていたが、どのようにして研究されていたのかは知らなかった。今回の授業でエビングハウスは無意味音節を使って自らを被験者として実験していたということが理解できた。目撃証言は信用するに値しない場合があるから鵜呑みにしてはいけないと考えさせられました (法学部生として勉強になりました)。手続き的知識は記憶喪失になっても忘れないと掟上今日子の備忘録 (TVドラマ版) で言ってた気がします……。これって本当ですか。

記憶喪失にもいろいろあると思いますが、一部の手続き的知識のみ残っているということはあると思います。運転免許証を持っていることは忘れていても、運転はできる、みたいなことがありそうです。

また心理学の内容からは外れるが、大学構内にポケストップが複数設置されていることを初めて知った。

ポケモンGoちゃんとやってください。なお、大学のWi-Fiに繋ぐとポケモンGoできなくなるので注意が必要です。

エビングハウスの忘却曲線は、エビングハウス一人を被験者とした実験結果のデータですが、記憶力は個人差があると思うので、すべての人に当てはまるデータなのかどうかは疑問が残ります。

もちろんですが、パタンはみんなだいたい同じです。

エピソード記憶のことで、例えば「私は広島修道大学で心理学を勉強した」と「姉は家でドラマを見た」のそれぞれの記憶が勘違いで混ざってしまい、「私は家で心理学を勉強した」という勘違いの記憶になってしまった場合でもエピソード記憶であると言えますか?

はい、これはエピソード記憶の混乱ですね。

長期記憶と短期記憶にことで、ドラえもんの道具で「暗記パン」がありますが、それは覚えたい内容をパンに写して食べれば一瞬で記憶できる便利な物で、吐いたり、排便してしまうとその効果がなくなり忘れてしまいます。それは私にとっては長期記憶と短期記憶の間、中立的な記憶であるかなと考えましたが、先生はどうでしょうか? (どうでもいい質問で申し訳ありません)

いやいや、全然「どうでもいい」質問ではないです。これは明らかに長期記憶です。が、その長期記憶が保証される期間が体内にパンが残っている間と限られているということです。

7行目の「隆盛」という単語を見たとき、最初は人の名前「たかもり」と読んでしまいましたが、よく考えたらおかしいので少し困惑しました。「隆盛」を調べてみると「りゅうせい」と読み、意味は「栄えて盛んなこと」であるのだと初めて知りました。人の名前でよく見かける単語がこういうところで違う意味で使われているは初めてです。

「隆盛を誇った行動主義」の最初の単語を「たかもり」と読んだということで、今、じわじわ来ています。たかもりはあまり誇らないよね。

動物や機械、ヒトを分けずに、ひとつの情報処理装置として捉える機能主義的な考え方は、現代の心理学においても用いられているということを理解した。また、大学内にポケストップが多くあり非常に助かっています。ありがとうございます。

恐縮です。

ふと思ったんですが、心理学者の方って、占い師と同じことができると思います。正直、占い師って悩みを聞いてるんじゃないのかなって思うんですけど先生も占い師になれると思います。

正直、人の悩みごとを聞くのはあまり好きじゃないので、多分なれないと思います。

114行目のエビングハウスは⾃分⼀⼈を被験者とした実験結果を報告しているとあるのですが、自分一人だけを対象とした実験は研究する上で使ってもよいのか気になりました。

ふつうはそういうことはしません。ですが、この研究は彼がはじめたもので、まずは自分で試してみる、ということだったのだろうと思います。あとは、これを同じことを他人にやらせようとしたら、結構たいへんだっただろうなとは思います。毎日決まった時間に記憶課題をやらないといけないのでつらいですよね。

a148の知識の定義と、知能の定義の具体的な違いは何か知りaい。フラッシュバックは感覚記憶の一種ですか?

知能というのは一種の情報処理能力のうち知能検査によって測定されるものです。記憶される対象である知識とは区別されます。フラッシュバックは当然長期記憶に残っている事象でなければ起こらないので、感覚記憶ではありません。

記憶には長期記憶と短期記憶があることは知っていましたが、今回の講義で長期記憶の中でも細かく分かれていることが分かりました。また私がいつも回しているポケストップが先生が設置したものであることも分かりました (笑)。

いつも3号館の研究室の方を見て感謝しながらポケストップを回すようにお願いします。

自分は、人の目撃証言はプラスになることもマイナスになることもあって必ずしもプラスになるとは限らないので事件などにおいて重要視するべきではないと思う。なぜなら人は口では何とでもいえるからだ。例えば電車での痴漢冤罪などは一人の女性ともう一人の目撃者 (嘘) が共犯となれば簡単に人を陥れることができる。そういったことを防ぐためにも目撃証言に代わって防犯カメラを多用していくべきだと考える

これは、まさに自殺をホームドアの設置で防ぐのと同じ構造的解決策の一つで、僕もそうするべきだと思います。人の記憶に頼るのは怖いことです。

記憶にも種類があることが分かった。

分かった、ということであれば、どんな種類があって、それぞれどういう内容だったかまで書いてほしい。これは分からなくても書けるコメントです。リアクションペイパーでは分かったことをアピールする必要があるのです。

また以前から気になっていたのですが、コースのリアクションペーパー回答のリンクが間違っておりアクセスできません。daihikoとnetの間の「.」が「/」になっています。

あー本当だ! 直しておきました。どうもありがとう。

人間の脳は10%しか使われていないと言いますが少しでも多く使えるにはどうすればいいですか?

全部使ってますよ。10%しか使っていないというのはデマなので気をつけましょう。これを知っただけでも授業に参加してよかったと思います。でも、たくさん勉強をすればあなたの能力はまだまだ活かせます。しっかり勉強をして博識になり、活躍できる大人になってください (説教くさくてすみません)。

質問なのですが、小テストの第1問の4つ目にある「エコイック・メモリー」は間違いなのでしょうか?

あ、しまった、正解が2つありましたね。直しておきます。