「進化心理学」の感想 (20 Nov, 2020)

第3回、第4回の分 (2コマ連続なので1つのリアクションペイパーで2回分)。第3回は「利己的遺伝子」、第4回は「ヒトの進化」でした。

混合ESSと多型の違いについて理解することが、少し難しかったです。

ここらへんは復習コマのところで再度説明することにしましょう。もう一度教材を読み直してみてください。他にもいくつか同様の質問がありました。

第3回の授業の80行目~の戦略の説明で、戦略とは行動の事だと説明されましたが、目的地に早くつくために運転の時にスピードを上げるという戦略を行えば、事故を起こす確率が高くなる。目的地に早くつくという利点がある一方で事故の可能性が上がるという短所、その両面があるというのがトレードオフである。という解釈で間違いないでしょうか?

はい、そうです。

これまで遺伝子などという単語を聞いても理解がてきなかったし興味もあまりなかったのですが、中西先生の授業で遺伝子についてのレジュメを見たら面白いな、と思いました! 内容は難しいですが、もっと知りたいです。

もっと褒められたい。

第3回目です。
疑問です。51行目からの遺伝子の継承についてです。ポイントとしては、母由来もしくは父由来の染色体は大体半分ずつもらうとのことでした (理解し間違えていたらすみません)。女の子は父親に顔が似て、男の子は母親に顔が似るという話をよく聞きます。このことと関係があるのかはよくわからないのですが、もし関係があるのなら、大体半分ずつもらうのに、パパ似やママ似がなぜあるのかが気になりました。

これはどの程度支持されている仮説か分からないのですが、父性の不確実性ゆえに、父親からの虐待を防ぐために父親に似た顔で生まれてくるなんていう話もあります。もし、父親に似ている顔に生まれてくる子と母親に似ている顔に生まれてくる子の間に適応度の差があればそこに淘汰はかかると思います。

感想です。216行目からのゲーム理論での兄弟の説明がわかりやすかったです。私 (姉) は妹がいるのですが、姉が切って妹が選ぶ場面であっても、錯覚などを使って、どうにか利益を多く得る方法がないかなど複雑なことを考えていました。

ここらへんは発達心理学の知見も使うとうまいことだますことができそうです。保存の概念を使うといいかもしれませんね。

ゲーム理論は、人間の行動を研究するものだと思っていたが、それが遺伝子レベルにも当てはまるということは驚いた。自分の想像以上に遺伝子はすごいものなのだと気づいた。

これは誤解。もう一度資料を読み返しましょう。ゲーム理論でやっているのはあくまで行動レベルです。

ヒトの進化について、今までも社会や歴史の授業でならってはきましたが、心理学の授業でこんなにも詳しく習うとは思っていませんでした。進化の過程によって、体格や脳容量などが異なりその時代に合わせた進化をしていたのだとおもいました。たくさんのカタカナの名前が出てきたので、覚えることに苦労しそうだと授業を受けながら感じました。

こういう進化心理学の授業をやっている大学は日本でも少ないと思います。進化心理学を学べる大学は少ないのです。日本人間行動進化学会の会員数は250名ちょっとしかいませんからね (日本社会心理学会は1700名ほどいます)。

火曜日に学習言語心理学でボノボのビデオを見たばかりだったのでレジュメにまたボノボが出てきて驚きました。

驚くことでもない。

4ページ83行目からの代替戦略の例で出ていた鳥の奴なんですけど、あの例だと5分たったら次の木に移るの方が圧倒的に有利ではないですか? 5分間と5匹を比べたとき、5分間のデメリットは虫がいないのにそこにとどまらなければいけない時間的損失だと思うのですが、その点5匹条件ではそもそも次に行けません。そう考えると、虫が沢山いる時は当然5匹の方が損ですし、5匹条件の際にメリットだと言えるのは5匹以上木々が続く確率に依存するのではないでしょうか?

僕もあの例では5分がいいだろうなと思います。

第3回の28行目周辺の話で、「自分が子供作らなくてもきょうだいがいれば…」といった話をされていたと思うのですが、友達に説明しようとしたらよくわからなくなってしまったので、よかったらもう一度ご説明ください。

きょうだいは平均して自分と50%は遺伝子を共有しています。だから自分が子どもを残さなくても、きょうだいの子ども (おいやめい) は自分と25%程度は遺伝子を共有していることになる、ということです。自分の子どもは50%共有しているので、それよりは共有率は下がりますが、きょうだいを通して自分が持っている遺伝子の一部は引き継がれていきます。

進化心理学者の目には世界がどんな風にみえるのかという疑問を持ちました。人間は霊長類の一種で、子孫を残さないと、自分のDNAは地球上に残らない可能性が高い、チンパンジーは人間にはなれないが、起源を遡っていくと同じ根から分けられた証拠がある…人権という概念も愛という概念も無駄なように感じられました。ただの動物の一種類にすぎない人間が、人類の都合良く他の動物の命を扱うなんて… 恐ろしいです。(自分もそうしていると思いますが..)授業中に人類的観点から見ると、先生と私たちの遺伝子も共通する部分があるかもしれないと仰いましたが人間が自分の遺伝子を残そうとする欲求は、他に自分と似た遺伝子をもった人間が残してくれたらいいだけであって、無駄な欲求だな..と思いましたが、この部分に関する理解は間違いでしょうか。(社会的手抜きのような考え方ですかね)

もし、そのように「手抜き」して遺伝子を残さない形質を持つ者があらわれたらどうでしょうか。その人に乗っている遺伝子は後の世代に伝わりません。もちろん、その人のきょうだいや親族は遺伝子を継承するかもしれませんが、その人は子どもを作った人よりも適応度が低くなります。だから、そういう意味での手抜きをする人の遺伝子は継承されにくくなるはずです。

ボノボは、いま増田先生の授業で履修している学習言語の授業でも出てきました。

さすが増田先生。

EESについてですが、均衡が崩された際、その均衡に戻りやすい戦略という解釈であってますか?

均衡が崩れにくい、ということです。少数の侵入に対して頑丈だということです。なお、EESではなく、ESSなので気をつけましょう。

ゲーム理論の話で、兄弟のケーキの話の例がでて、兄に切ってもらい、それを弟が選ぶという方法をとることで、損失を減らす戦略のミニマックス法は分かりやすくて、理解出来たんですが、マクシミン法は具体的にどういうのか分からなかったです。(他にも同様の質問あり)

僕の理解だと同じものです。

ホモ族はなぜ、温かいアフリカから、寒いユーラシア大陸に進出したのかが知りたいです。

人口が増えていくとよりよい狩場を求めて新天地に移動するということではないかと思います。

混合ESSは常に60%の人が戦略Iを取り、常に40%の人が戦略Jを取ることで、多型は個人が60%の確率で戦略Iを取るという解釈で合っていますか。

逆です。個人差があるのが多型です。

「分からなかった、気になったこと」ヒトとチンパンジーは1%しか遺伝子に違いはないというがその1%の遺伝子の違いとは具体的にどんな違いがあるのですか?

https://gigazine.net/news/20150721-human-not-99percent-chimp/https://www.riken.jp/medialibrary/riken/pr/press/2002/20020104_1/20020104_1.pdf

こんな情報はどうでしょう?

ヒトの進化にたくさんの歴史があることがわかった

いやいや、もっと具体的にこの授業で知ったことを書かないと! この内容だと聞かなくても書けます。

ライバルを倒す目的以外に、人間のように、ある特定のチンパンジーに恨みを持って殺したり、恋愛関係が縺れて殺し合してしまう、というのもあるのか疑問に思いました。

ライバルというのは多くの場合、恨みの対象であったり、恋愛関係上のライバルです。そこらへんは、ヒトと同じようなことがあるかと思います。

種の進化は枝分かれなんだと分かった。現在生きている種の人間はいろんな家族がいるが元を辿れば同じ祖先にたどり着くと思います。そしてその種の分かれ目はどーやったら判断できるのでしょうか? 突然ですか? それとも徐々に変わっていくのですか? もし徐々にというのであるなら今生きている私たちは進化の真っ最中にいるということですか?

進化は基本的には徐々に進みますが、カンブリア爆発みたいに一気に進化が進むこともあります。この話はまた後半出ててきます。種の分かれ目はたいへん重要な話ですね。基本的には交配して子孫ができるかできないかというのが重要な分かれめです。

以前他の授業で知能の高いボノボの映像を見た事があるのですが、テレビでは人間のような行動を取るチンパンジーをよく見かけます。第4回の資料9ページ202行の図にあるように、ボノボとチンパンジーは直近で分かれていますが、知能に差はあるのでしょうか。

もちろん違う種なので、知能も異なります (が、ヒトが作った知能というものさしで彼らを測定することにはあまり意味がないとも思います)。

ホモ・フローレシエンシスのことで質問で、1人しか見つかっていないと言っていましたがそれが子どもではないという根拠はありますか?

子どもか子どもでないかというのは出土した化石から分かります。

追記: なお、見つかったのは1人だけではありません。ジョージアでも見つかっています。

小テストの後に点数がわかるようにしてほしいです。

授業内で説明したのに聞いてなかったでしょう! 1週間後に分かります (1週間後になっても出なければ教えてください)。

ゲーム理論は非常に興味深いものだと思った。

そういう授業を聞いていなくても書けるようなことは書かない。次はがんばってもっと具体的な内容をお待ちしています!

ナッシュ均衡などについても、コマシラバスで難しそうと思い警戒していたのですが、身近な例でスッと理解できました。復習コマでまた説明されるのかなとは思いますが、進化ゲーム理論を戦国シミュレーションゲームで例えていたのがよくわかりませんでした。やったことがないからかもしれませんが、考え方が似ているということなのでしょうか。

これはやったことがなければぴんとこないと思うので、華麗にスルーしていただくとよいかと思います。

第4回では、ヒトの進化について、今まで高校などで習ったことよりも詳しく知ることができました。原人が一回絶滅しているという言葉が何回か出てきましたが、聴き逃してしまっていたのかよくわかっていません。すみません。リアクションペーパーへのフィードバックが細かくて助かります。私は質問するのを諦めがちなので、途中で自己完結しかけた疑問も含めて質問できたらいいのかなと思いました。

はい、なんでも遠慮なくお願いします。原人はわれわれの直接の祖先でありません。そのあとにアフリカから出てきたホモ・サピエンスがわれわれの祖先です。

自分の中にらせん構造のDNAが存在してると思うと実感が湧きませんでした。ダウン症の子は染色体がひとつおおいという知識はあるのですが、少なかったりするとどうなるのですか?

https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/23-小児の健康上の問題/染色体異常と遺伝子異常/染色体欠失症候群

ここらへんでしょうか?