「社会心理学2009」の感想 (11 May, 2009)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。

ビジュアル社会心理学」の「3. 自己」のところを見た。これはドラマ仕立てで本当によくできている。金をかけて作ってあるのだろう。これまであった教材と比べて格段に洗練されている。学生の評価もかなり高い。多分、僕が授業がするよりこれを見た方がずっと勉強になるだろう。このDVDにちょっと嫉妬するな。

就職活動真っ只中の私にとって、とてもためになるVTRでした。(中略) 今日のVTRを参考にまた自己分析を頑張ります。

実は就職活動対策だと、「本当の自分」なんて探す必要はないのかもしれない。ターゲットの企業にとって自分がいかに有用か (真実なんてどうでもよくて) そう見えればいいわけなので。自己呈示がうまくなったほうが役に立ちそう。

面接などでは、自己呈示をしてる人ばかりなので、面接の内容が重視され、自己呈示することによって、差異は出ないのではないかとも思った。

「うまく嘘がつけないひと」は脱落するだろうね。面接なんて短い時間でその人の性格とか能力を見極めようとするのは基本的に間違っていると思う。面接で得られる情報はあまりにも乏しい。

非スキーマ群ってどんな人ですか。

そのスキーマを持っていない人のこと。

赤くてちっちゃなダニみたいな虫をよく見るんですけど、あれは何ていう虫なんですかね?

「タカラダニ」でGoogle検索してみよう。で、これが授業とどういう関係にあるんだよ!

私自身派手であり、リクルートスーツを聞る (ママ) と、普段のチャラチャラした感じがなくなり落ち着いた感じになります。

時代は清楚系だよ。バブル時代じゃあるまいし! 来るべき社会人生活に向けて、自己概念を清楚系にシフトさせていきましょう。

自分を卑下することもセルフハンディキャップになるんでしょうか。

卑下というより、「言い訳を前もって考えておくこと」がセルフハンディキャッピング。

赤ちゃんは鏡に写る (ママ) 自分のことを自分とは思っていないけど、それがいつから自分であると認識するのか、とても不思議に思いました。

愚息が1歳半くらいの頃、そごう広島店のマーガレットハウエルの売り場に置いてある鏡で自分を見て、その裏に何があるのかを確認して喜んでいたのを思い出した。

先生が髪を切っていてさっぱりして見えました。

わざわざ車で30分もかかるところの美容室まで行っているからね! これも重要な自己呈示。

ブログを拝見しました。丁寧に質問に答えていただいてありがとうございます。

どういたしまして。

「自己呈示」の部分が一番印象的でした。他人に自分を良く見せるために、本当の自分を隠し、他の自分を装っていく過程の中で、その装っていたものがいつの間にか本当の自分になるというのが不思議でした。

よく授業の内容を理解して書いてくれているコメント。こういうことを考えると、「本当の自分」なんてものは実はどこにもない、ということに気づくと思う。「自分」はいつも作られているし、変化し続けるものだから。

自己はたくさんあると (複雑だと) いわゆる”多重人格”というものになるのですか?

いや、多重人格と自己の複雑性は別の問題。自己が複雑であるというのは、たくさんの役割を持っているという意味で、人格が複数あるということを意味しているわけではない。

ビデオ中の心理テストで「自分が本当は何をしたいのか考えて行動する」という項目がありましたが、意味がよく分かりませんでした。

分からない人は「No」でいいというテストなのだろう。熟慮して判断するくらいの意味なのかな。僕もよく分からない。

よくビデオや講義で実験の例が出てきますが、講義において何かしら実験をする予定はありますでしょうか?

4年生の卒業研究の関係や、僕自身の研究の関係で参加してもらう機会を作りたいと思っている。お楽しみに。

ちなみに先生は公的自己意識特性と私的自己意識特性ではどちらが強いですか?

状況によるかも。授業に臨むときはかなり公的自己意識が高くなるし、家で一人でいるときには私的自己意識が高くなる。特性としては、どちらかなあ。