「心理学概論」の感想 (9 Apr, 2025)

今年も心理学概論が始まった。リアクションペイパーへの返信はやめると書いたが、必修授業の概論だけはやってもいいかもしれない、と思ってとりあえずやってみる。書かせるとそこそこ質問は出てくるもので、「つぶした」と思った質問がもっと高度なものとなって立ち現れてくる。

60の機能主義について。学習性無力感は人間も動物も同じような結果になると予測できるが、なぜロボットも同じだと言えるのか。学習性無力感の実験ではロボットに痛覚を与えても痛覚を記憶しなかったり生物よりもダメージが少ないのではないかと考えてしまった。

確かにそうですが、その場合、単に「ロボットに痛覚を記録する機能が実装されてなかった」というだけではないかと思いますがどうでしょうか?

私は社会学専攻なので、心理学と聞いて心理学科の人しかわからないのではないかと考えていたが、こころの法則性を見つけたり、そうした法則を応用して問題を解決する学問であることを説明をきいて理解することができた。テレビの心理学者の傾性概念もみんながわかりやすいように抽象的に言っているだけで、正しいとは限らないということがわかった。

「言い換えてもらうと分かった気になる」ということだと思います。なぜ言い換えるだけで「分かった」気になるのか、問うこと自体もおもしろい現象だと思います。

検証には反証可能性が大切と書いてましたが、これはある仮説に反証できる可能性があることで他の人に検証してどのくらい正しいかを調べられるから大切だということでしょうか?

はい、仮説を検証する〈方法〉が示されていると、同じこと (=検証) が他の人にもできる (検証の機会が他者にも開かれている) ということになります。

授業で説明のなかった構成概念の一つの理論的概念については今後の授業で説明があるのでしょうか?

これは「理論的構成概念」でしょうか。「仮説的構成概念」と同じ意味です。

心理学はこころの規則性を見つけたり、そうした法則を応用して問題を解決する学問ということが分かりました。心理学科を受験する際心理学は占いとかじゃないよ!というのは散々耳にタコが出来るほど言われていたのであまりギャップは感じなかった印象でした。とても興味関心を引かれる授業でした。これからも楽しみです。

しっかり受験前に勉強されていたんですね。すばらしいです。

心理学は人の心を知るというより、人の行動を見て平均的な人のその行動を取った場合でどのような意思を持ってる場合が多いかという統計をとるものということを知りました。一つ一つの単語の説明をもう少し話して欲しいです。

基本的に教材に全部説明は書いてあるので、もし「この単語の意味が分からない」ということがあったら行数とともに教えてください。説明しますし、次年度以降の教材改訂にも役立てます。

ある人の性格たまたま見た時の状況で決めつけてしまうことが傾性概念であることが分かりました。見た目で決めつけてしまうことも傾性概念ということになりますか?

それはどちらかというと、先入観 (=偏見) でしょうね。偏見というのは心理学では重要な仮説的構成概念で、いくつか測定方法があります。

個人的に傾性概念は偏見に近いものなのかな、という印象を受けましたがあっているでしょうか? 偏見との違いを疑問に思いました。

上にも書きましたが、傾性概念とは基本的に「現象を言い換えたもの」で「偏見」とは異なるものです。

私は、心理学を奥深く学びたいと思ってるので、コマシラバスの資料に載っている本を読んでみたいと思います。

ちょっと難しい本も多いと思いますが、読んでみてください。また、分からないことがあれば教えてください。