「心理学概論」の感想 (11 Apr, 2023)

心理学概論の初回授業。久しぶりに1年生対象の必修の授業の担当。みなさん、わりと寝ないで聞いてくれてたいへんうれしかった。小テストの結果もまずまずだったので、なんとか伝えたいことは伝わった感じか。

#誤字などは適宜訂正した上で紹介しています。

コマシラバスに書かれている各回のキーワードはその回の講義でのキーワード、履修判定指標のキーワードは、テストの問題におけるキーワードという認識であっていますか。

はい、その通りです。ちょっと分かりにくいですね。

授業で扱うプリントは毎回配布されますか? それとも次回以降は、個人で印刷すべきですか

毎回こちらで用意するのでご安心ください。

プリントでたまに━━━━━━━━━が入って文が途切れている場所は気にしないでいい場所ですか?前の分が途中で切れているのが気になって質問しました。

この線の下は脚注です。本文に書くほどでもない補足情報が書かれています。上級者向けです。本文中の番号と対応しています。

期末試験のテスト形式がどのような感じなのか知りたいです。(マーク式など)

多肢選択、○×の客観試験です。と書くと簡単そうなのですが、案外難しいです。理解していないと解けないような問題がたくさん出ます。

テキストが番号が振ってあってわかりやすかったです。

一人でもそう書いてくれる人がいると嬉しいです。

少年犯罪が起こった時少年の「心の闇」についてまず考えないということに、意外と感じました。ニュースなどで取り上げられている時にこのことを調査するのが心理学なのだなと思っていました。でも学んでいくと、確かにまず心の闇について考える前に、それを防ぐ方法や社会的分析、環境調査などが大切だと納得しました。

専門用語が多かったので自分なりにまとめてみたけど、違う所もあると思うのでその時は教えてください。

大丈夫です。なんでも説明できるような都合のよい概念に逃げてはいけないということですね。

そこで質問なのですが、傾性概念がその人の性格や性質とはあまり関係がないものであるのならば、心理テストなどはほとんど信憑性がないのでしょうか? よく行動パターンから診断するものがありますが、これらはまた異なる考え方なのでしょうか?

まず、「傾性概念」というのは「人の性格や性質とはあまり関係がない」ということではなくて、人の行動を説明する上で学問的に役に立たないということです。また、それと「心理テスト」とはあまり関係ないような気がしますが、心理テストが信頼できるものかどうか、ということはそこで言っている「心理テスト」が一体どんなものかによります。おそらく、想像しているようなものは心理学者が作ったものではないと思います。そういう意味で「心理学的にはまともなものであると確認されていない」ということになると思います。きっと。

そもそも心とは何にか (そもそも論) を考えるときは、どのように考えたらいい! などのコツはありますか? 色んな方面から考えていくという感じですか?

自分で「なんでだろう」とどんどん問いを訴求していくといいと思います。例えば「自信のある人は魅力的だ」という記述を見たら、「なんで自信のある人は魅力的なのだろう」と考える。さらに、「自信のある人は行動パタンが違うから魅力的だ」ととりあえず答えてみて、さらにその自己回答に対して「じゃあ、どう行動パタンが違うのだろう」と新しい問いを立ててみます。また「そもそも自信って何?」とか「魅力ってどう測定するの?」みたいな方向に問いを広げていくのもよいと思います。

講義を受けて内容を整理する時間が欲しいとき、リアクションペイパーと小テストを後に提出してもよいでしょうか。資料229行目の8の倫理的な問題とは具体的にはどういうことですか。         

リアクションペイパーはあとで構いません。小テストは授業の理解度を知りたいので、指示された時にやってください。ただ、今回はあまりに時間がありませんでしたが、通常はもう少し振り返りの時間をとってからやります。

229行目の脚注8「療法Aの効果が高いという仮説があるのに、半数の実験参加者には効果がより低いと思われる療法Bを行うという倫理的な問題がここにはあることに注意」ですね。これは「療法Aの方を使ったほうがいいと思っているのに、ある群のクライアントにはいいと思っている療法を行わない」ということが倫理的に問題かもしれない、ということです。もちろん、確かめるまでは分からないからやるわけですが、仮説があることが多いので、それが問題になるかもしれません。

期末試験はどこから出るのか教えてください。

コマシラバスの履修判定指標に書いてある、ということを授業では説明しました。履修判定指標を読んでみてください。

更に、機能主義のところでは「心理学にとっては、ある環境において、特定の刺激に対してどのような反応が得られるかが重要とされる」とあったので、条件刺激や条件づけとも関連してくるのかと想像し、高校の時に学んだことと繋がりを感じ、ワクワクしました。

分からなかった点として、心的概念、構成概念の説明が難しかったので、もう一度説明していただけると嬉しいです。

このノリはとてもいいですね。学習心理学のところを楽しみにしてください。心的概念、構成概念の話も学習心理学の授業をやるところでもう一度似たような話が出てくるので、そこまではちょっと曖昧な理解のまま耐えていてください。