「進化心理学」の感想 (17 Dec, 2022)

土曜日の補講。30名程度は来てくれた。普段から出席しているのは60名弱なので、半分くらい。土曜1限・2限の補講としてはまずまずか。この日は1限に感情の進化の話をして、2限はこれまでのまとめを履修判定指標を説明しながらして、中間小テストを行った。今日のハイライトは知る人ぞ知る戸田正直先生の研究紹介。

228行目の「鯵と関係ありません」はくだらないですけど好きです。431行目以降のバスの研究は、「心の浮気」と「身体的浮気」の苦痛さを強制選択法ではなく、質問紙などの数値で答えてもらうとどうなるのでしょうか? 性別によって種類に差がみられないなど、性別と種類に交互作用効果がみられるのでしょうか?

urge=鯵はさすがに沈黙が怖くて授業では言えなかった……。浮気と嫉妬の話はいくつか追試もされているはずなので、調べてみましょう。交互作用が得られるというのが仮説になりますが、どのようなパタンの交互作用が得られるのかはデータの取り方によって変わりそうです。

シナリオ条件と写真条件で日本人の基本6感情について調べた結果を見て、日本人は、感情をあまり表出せず、内に秘めるタイプなのだろうかと思いました。しかしながら、6つの感情があるなか、4つの感情についてはっきりとした差がなかった中、幸福と驚きはまさにその感情が表出されたのは何故なのだろうかと思いました。幸福や驚きは他に比べて表情として表しやすいのでしょうか?

出しやすいというのはあると思います。例えば、嫌悪ってどう表出します? 僕は多分出せない。そもそも人の表情を読むのも難しいけれど。

ネシーの著作で、『なぜ心はこんなに脆いのか』には目を通したことがあるのですが、自分の知りたいことは「感情の進化的説明」の方でより書かれているようなので目を通そうと思います。恐怖症のサブタイプ分けについて、そこでは診断別に分けられているようですが、恐怖症の特徴として、恐怖の対象は同じでも症状の表出の仕方が人によって異なりバリエーションに富むという点があります。当然、異なるタイプの恐怖症でも、共通の症状を持つこともあります。診断だけではなく、症状、症状によって引き起こされる行動パターンあるいは制限される行動パターンという観点で、サブタイプ分けをして考えるのも面白いのではないかと感じました。

なるほど。重要なのは恐怖症も適応の一つの型だということですが、そうなるとなぜ人によって症状の表出の仕方が異なるのか、ということが疑問になりますね。

先生……心と体が震えてます……叫びたがってます。くっそ寒いです。

教学センターからは暖房を入れるようにと連絡を入れていたらしいのですが、なぜか暖房が入っていませんでしたね。確かに寒かった。がんばってみんな土曜日の朝から出てきたのにねえ。

不安が発生するのが進化に関連するものなら、何に不安感がでるのか決める遺伝子があると言うことですよね。で、この遺伝子の発生は突然変異によるものだと仮定するのですか? もしそうなら巷は変な不安に苛まされてる人だらけだと思うのですが……。

実際、不安を感じない人っていませんよね? どんな状況でも不安が生じるということではなく、基本的には適応に意味がある形で不安は表出されます。

今回は補講ということで、土曜日の1限からなんて受ける人は少ないだろうと思っていましたが、みんな精力的に参加していて小テストの得点も高いという意外な結果であったことが印象的でした。その理由に進化心理学が異色な視点から物事を考えていて興味がわくことがあるような気がします。

半分くらいの人に参加してもらって本当にありがたいことです。進化心理学的視点は結構危ないところもあるので、説明するのにはとても気をつかいます。