オンデマンドになって第1回目のリアクションペイパー。第11回「文化の成立基盤としての社会的学習」、第12回「ヒトと動物の文化」。僕の専門領域なので対面でできないのがたいへん悔しい。まだかなりの数の人がリアクションペイパーに回答していないが、明日には次のオンデマンド授業がはじまるので、この段階できているものに回答。
観察学習と洞察学習に違いはあるのでしょうか
観察学習は他者の行動を見て学ぶことで、洞察学習は試行錯誤による強化ではなく、個人的に解決策を考え (洞察し)、その方法を用いることで問題を解決することを意味するので、全く違う概念です。洞察学習は個人内で完結します。
⽂化の定義は、イギリスの⼈類学者のエドワード・バーネット・タイラーの著書『未開⽂化 (Primitive culture)』がとても有名と書かれていましたが、全然知りませんでした、、。
はい、もちろん知らないと思います。そういう意味で「有名」と書いたわけではないので知らなくても大丈夫です。
社会的学習は信頼性の高い情報が得られるが、その情報は古い可能性があり、個人的学習は最新の情報だが信頼性に欠けるという解釈でいいのでしょうか。また、個人的学習にコストをかけたとしても、集団の中で個人的学習が無くなることは無いのでしょうか。
最初の質問については、その通りです。2つ目の質問については「個人的学習にコストがかかったとしても、そのコストを担う者が0になることはない」というのが正解です。
要望です。今までは紙媒体で授業をしていましたが、今回は印刷するとなるとコンビニで結構な額を支払わなくてはいけなかったので、PDFを使って勉強しました。パソコンしか所有しておらずPDFでは書き込みができなかったので、Word形式も添付していただきたいです。
Adobe Readerなどを使えば、書き込みはできます (参考: https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/using/commenting-pdfs.html)。また、コピペなどを禁止していないので、テキストエディタやWord等に貼り付けて編集するのも自由にできます。
文化伝達研究の方法が3つありましたが、最初の二つは理解できたのですが、クローズドグループ法がよくわかりませんでした。
これはKameda & Nakanishi (2002) の方法がそうです。同一のグループで繰り返し課題を与える方法です。
文化の普及に、「伝達」は必ずしも必要ではないということがわかりました。伝達能力が必須ではないことから、世間の良くない風潮や考えまでもがネガティビティバイアスの重なって、文化のようになって続いていくのだと感じました。
伝達は必要なのです。教育は必ずしも必要でないかもしれません。でも、教育が必要だという説もあります。
イワシの大群などは、文化かなのか、ただの習性なのか、気になりました。
ただの群れをふつう文化とは言いません。文化というのはある特定のグループが別のグループとは異なる行動様式を持つような状況のことを言います。イワシはどこでも群れています。
ウサギ当てゲームのように個人的学習にコストをかける人がいるというのは,例えば普段の生活などでどういった時に使われるかのような何かいい例はないかな,と気になりました。
例えばWikipediaがなぜ維持されているかということを考えてはどうでしょうか?
チンパンジーのシロアリ釣りで若いメスが取得しやすいということについて、メスは子どもを生むためその子に伝えなければならないという本能的なものは関係しているのでしょうか。
子どもを生むこととどのような関係があるかはちょっと分からないのですが、芋洗い行動もメスの方が習得しやすかったので、何かあるかもしれませんね。
コマシラバス部分の説明しかなく自習の面が大きくなったが自分のペースで理解ができ進めることができるのでオンラインではこの面ではよかったと思った。
本文のPDFまで全部読み上げ形式にすると結構見る方がきついと思います……。動画は長くても30分が限界じゃないでしょうか。10分だけの動画であとはオンデマンド形式のよさを生かして自分のペースで読んで分からないところを質問する、というやり方をするしかないなと思いました。ただ、脱落者が増えるのではないかと心配ですが……。
動画の時間が短いので負担にはならないが、やっぱり対面で聞く授業よりも理解が難しいなとは思いました。12の人と動物の文化はレジュメを見るだけで面白いので直接聞きたかったです。
そう言ってくれると嬉しいと同時にくやしいですねえ。最後まで僕も対面でやりたかったです。
第11回で,社会的学習はどのようなものか,キノコ問題の解説などによって理解できたため,その後話が複雑になってからも何とかついていけた気がします。また,324行目でタカハトゲームと構造が同じになるという話が出たときに,スムーズにタカハトゲームについて思い出すことができたので,少しは記憶の定着がしているのかなとうれしく思いました。
これはすばらしい!
文化的伝達について,204行目からの,遺伝的伝達と文化的伝達の違いについてボナーが指摘した点の3つ目が理解できませんでした。ミーム,文化伝達の際の複製子の単位,というものがよくわかっていないのかもしれません。通して資料を読んでいる時には理解したつもりになっていたのですが,改めて読むと引っかかってしまいました。
11回目の内容。例えば「ハリウッド映画」のような影響力のつよいミームを生み出すようなヒトの能力は遺伝的な基盤を持っているけれども、遺伝子自体はその未夢とは関係なく進化するということです。遺伝子がミームを産み出し、それが適応を助けるので、ミームを生み出すような遺伝子が進化する、ということが書かれています。
全体として,先生の口頭での補足なしで自分で読んで理解するには,今までの対面授業の時よりも時間をかけなければ難しいように感じました。自分は耳から覚えるタイプだったのかもしれないと思います。音読してみたり文字をなぞりながら読んだりと工夫をしていきたいです。
教室で授業を受けるときは「なんとなく分かった気になっている」という側面もあるかもしれません。僕は分かりにくい文があったときは音読してみるようにしています。なぜかそれで分かることもあります。