「心理学概論I 2009」の感想 (16 Apr, 2009)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。

今回の授業は (というか、この「心理学概論I」の僕の回はどれもだが)、概念的な話が多くて、結構難しくておもしろくなかったんじゃないかと思っていた。だが、どうやら学生を見くびっていたようで、結構「おもしろかった」という意見を書いてくれるひとが多かった。案外履修生はレヴェルが高いかも。嬉しい誤算だ。

生物学的基盤によって決まっていることはいつわかるんだろう?

このひとは「がんばればサッカー選手になれるかどうか」いつ分かるのかという例を出している。それはがんばってみないと分からない。ひとより努力しても、ひとよりうまくなれなければ、才能がないということなのだろう。なので、とりあえずはがんばってみないといけない。

私は教育学専攻ですが、教育はもともとあるものを否定しつつ、どんどん新しいものへと導くものだと思うので、教育学も育ちを重視しているのではないかと思いました。

まさにそう。だってさ、教育というのは人間を外部から強制的に変えて行くプロセスだよね? 育ちを重視しない教育学というのは存在しえないだろう。

SSSMは「育て方によって人間は変わる」という考え方なんですか?

そのとおり。「むかしながらの社会科学の考え方」のこと。

人間の子供を狼が育てると狼ぽくなるときいたので

それは都市伝説に近い。もちろん、人間は人間が育てないと人間になれないが、狼には絶対ならない。

私は人も動物だと思ってるけど高級動物だと思っています。

この種の考え方がまさにSSSMの典型的な考え方。人間が生物界で栄えているというのは幻想で、むしろ人間よりずっと前から姿を変えずに繁栄しているゴキブリの方が高級なのかもしれないよ?

経済がなんで人間に関係しているのか疑問に思った。

だって、経済活動を行うのは人間でしょ? 経済学も心理学なんだよ。

今まで受けてきた心理学の授業のなかで一番かたい授業でした (笑)。

なんてったって、「ガイロン」だからね。ガイロンは昔からお堅いものと決まってある。

途中の先生の雑談がおもしろくて好きです!

ああ、だったらもっと笑って! なんかみんな素な表情なので「ああ、またつまらない話しちゃったよ……」と結構肩を落としたりもするのだ。

疑問に思ったことは、氏か育ちかということを知るにはどのような方法で調べるのかだった。

「行動遺伝学」という分野では、一卵性双生児 (100%遺伝子を共有) と二卵性双生児 (同時に生まれるが、遺伝子の共有率は50%でふつうのきょうだいと同じ) を比較して、氏か育ちかを推定する。

スライドをうつしてるときに先生がひまそうだったので良いなと思いました。デジカメで撮ることが良いんなら、他の授業でそうしてみたいと思いました。(怖そうな先生だけど、おこられたりしないですか?)

怒られても責任は一切取らないが、せいぜい「怒られるだけ」でしょ? たいしたことないじゃん。

「本性」って「ホンショウ」ですか「ホンセイ」ですか?

このばあいは「ホンショウ」。

有神論と進化論は必ずしも相容れないものではないと思った。

その有神論が、どういう考え方なのかによるのだと思う。僕は科学者だから「神が人を作った」と言っているひとがいたら「それは間違いだ」と言うだろう。だからといって、信仰と科学が相容れないものとも思わない。