「心理学概論I 2010」の感想 (22 Apr, 2010)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。

(遺伝と環境について) 先生はそれぞれを比で表すならどのくらいになるとお考えですか。

モノによって異なるので一概には言えない。例えば、耳はほとんどのひとが2つあるので、耳の個数はほぼ遺伝だけで決まる。でも、知能に関してはもっとその比率は低いだろう。

外見的なものは遺伝的なもの (顔など) が多く、内面的な目に見えない部分は両方の要因によって決まる事が分かりました。

それは間違った理解。見えるか見えないかはあまり関係ない。

人は親の能力の2割前後にしかならないと聞いたこともある。

それは完全なデマ。それが正しければ、人間の能力はどんどん縮小していってしまう。

遺伝>環境ということはありえるのでしょうか?

そもそも、それらを単純に比較すること自体が困難。ほぼ全ての事象は、遺伝と環境の相互作用だから。どちらがより影響を与えているか、という点だと、当然遺伝の要因の方が強いものもある。

知能も遺伝で決まるというのは本当ですか?

「決まる」わけではない。知能は遺伝の影響を強く受ける、という程度。

先生は、性善説も性悪説もどちらも正しいとおっしゃっていた気がするのですが、これでは矛盾しているのでははないでしょうか。

あらゆる問題には複数の見方がある、と考えたほうがいい。見方によって正しかったり、間違えていたりする、という話。

私たち人間は生まれたときはみんな同じであり、みんな同じように可能性をもっているということを聞いて、なんだか感動しました。

話をちゃんと聞いていた? そういうことを言うひとがいるけれど、それは嘘だよ、という話を授業ではしたつもり。

歴史系の授業を聞いていて、いつも思うのですが、そのとうじ生きていた人間は今、この世界にはいないのにその事実?を勉強するのは少し変な感じがします。

それだと、原爆が落ちた頃に生きていたひとがみんないなくなったら、原爆投下について勉強するのは少し変だと思う? 人間の文化は蓄積されるというところが極めて重要。それがなければ、人間がここまで進歩することはなかった。

やはり、育ちにより人間が形成されていくのではないだろうか。

それはこれまで「標準社会科学モデル」によって歪んだ教育を受けてきたから、そう思うのだ、と僕は思います。育ちは重要だけど、育ちだけと考えることは不幸の始まり。育ちが全てなら、子どもの将来に親は全責任を負うべき、という話になってしまう。

人の成長において、遺伝的な要因よりも、環境的要因が与える影響ははるかに大きいと思う。

おおざっぱに遺伝と環境の影響力の違いを論じることにはほとんど意味がない。様々な性格特性や知能など、遺伝の影響を受けやすいものから受けにくいものまで様々だから。

J.ロックは心理学者ですか? 文学者ですか? あと、何年ごろの人ですか?

そのくらいは自分で調べるくせをつけましょう。大学生は自ら自律的に学ぶ存在なのだから。Googleで検索したら多分一番上に君のほしい情報が出ているはず。

私は一卵性双生児です!

こういうひとと、二卵性のひとがたくさんいると実験してみたくなるね。

心理学って、その人がどんな人であるっていうのは内面的に理解できないものなんですか?

「内面的に理解」というのは何を指しているのだろう。もう少し具体的に質問してみて。

もう少し早くても良いんじゃないでしょうか?

授業の進行に伴って少しずつ速くする予定。しばし辛抱を。

性別的役割は遺伝? 文化? どちらも? なんですか?

どちらも。女性が主に子育てをする、というのは単なる文化的制約ではなく、進化的基盤がある。というか、1枚のリアクションペイパーに4つも質問するのは欲張りよー。Moodleの方も使ってね。

生まれたばかりの赤ん坊は等しく平等とあったのですが、生まれ持った才能というものは考えないのでしょうか?

ちゃんと授業を聴きましょう。

何度も登録しようとしましたがActive Mailに入れないのでどうしようもないです。パスワード何に変えたんだろう。

そういうひとは情報センター窓口まで。

血液型による性格判断

あれは嘘っぱち。

「努力は実る」とか言うけど、これだと実らない人もたくさんいるのじゃないかなぁと思った。

あらゆる努力が報われるわけじゃない。努力すれば必ず報われるというのは、嘘。でも、努力すれば報われる可能性は高くなる。がんばろう。

色で書いてある人の名前は覚えた方がいいですか?

黄色で書いている人名は教養として憶えておくべきなので、ぜひ憶えて。

「からだ」と「体」の違いって何ですか?

いっしょ。

僕は弟とよく似ているので、お母さんが不倫をしていない事が分かった。

よくないニュースだが、君のお母さんは二人とも不倫で出産したのかもしれない。

(一卵性双生児を) まったく同じ環境で育てると、まったく同じような考え方をする2人が育つということですか?

多分、そう。実際、一緒に育った一卵性双生児の子はほとんど一緒でしょう?