「心理学概論I 2009」の感想 (30 Apr, 2009)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。

ゴールデンウィークのど真ん中にも関わらず、出席者は結構多い。僕が学生の頃、こういう日に休講しない教官は「鬼」と呼ばれたものだが、教員も学生もまじめになったものだ。

今日は「サイエンスZERO」の第250回「シリーズ 人の謎に迫る5 人間は文化的か動物的か?」を見た。長谷川眞理子先生の登場する回。黒崎政男氏のピントのズレた文脈を理解していないコメントがちょっと気になる……。長谷川先生は真摯に対応されていてさすが。

私は殺人や犯罪に興味があるので

そういうひとにはデイリーとウィルソンの『人が人を殺すとき—-進化でその謎をとく』を読んでみよう。

なぜ「卵」が「精子」よりも少ないのか、という疑問が生じてしまいました。

卵を作るのにはコストがかかるというのが一つの理由。また、たくさん卵があっても、妊娠中には新たに妊娠できないのだから、たくさん作ってもあまり意味がないというのがもう一つの理由。

番組で言っていた新しいものに対する好奇心 (?) みたいなものの他に、もっとパーソナルな性格の遺伝はないのでしょうか? (親がシャイだから子どももシャイというような。)

クロニンジャーによれば、「新奇性追求」「損害回避」「報酬依存」「固執」が遺伝に左右されやすく、「自己志向」「協調」「自己超越」については環境に左右されやすいらしい。これについてどういう議論があるかについては、あまり詳しくないので、知らない。クロニンジャー理論の基礎あたりも読んでみよう。

「心的世界」って、どんな世界ですか

考えたり、思ったりする世界。自分で考えたことも、自分一人の中では簡潔しない。それを他者に伝えたり、他者から教えてもらったりして、情報を共有できるというのが社会的動物としての人間の特徴と言えるだろう。

自分は牛乳をいっぱい飲み続けてきたので乳糖を分解する酵素を持っていると思います!

遺伝子の問題だから、飲み続けたら分解する酵素ができるわけじゃないよ。

殺人率の少なくなった日本人は文化や環境によって進化したってことなんでしょうか?

いや、人間の進化というのは1万年とか10万年とか100万年のタイムスパンで起こるもので、数十年で進化は起こらない。なので、日本の殺人率が少なくなったのは、社会文化的要因だろう。

遺伝子ってどこにあるんですか?

細胞の核の中。だから身体中のあちこちにある。例えば、髪の毛からDNA鑑定したりするでしょ?

安めぐみはあまり好きじゃない。

そんなことより3行以上書きなさいよ。

おじさんとおばさんの意見の違い方を見たり、そもそもデータの取り方が、どうもただの予測みたいに思えるのもあったり。

「おじさん」の方はともかく、長谷川先生のことを「おばさん」とか言うのはやめなさい。すごいひとなんだから。

ところで、次回から大きいマイクを使ってみてはどうですか。しょっちゅうマイクが切れて面白すぎです。

面白いならいいじゃん。やっぱりあのマイク故障してるのかな? しゃべってる方はよく分からないのよ。今度教務課に文句言って来て。

殺人の日本の統計、男性しか出てきませんでしたけど、女性はどうなっているんでしょうか。

無視できるほど少ない。

生存競争=優れた人間が生き残る、としたら「天地人」の御館の乱で景虎様が勝っていたら主人公ぼろくそに言われてたかもしれないのかな……。

実際、結構優秀だった武田勝頼とか、石田三成とかぼろくそだよね。