学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。
中国などでは一人っ子政策によって男女比が男性に傾いていると聞きました。そう考えると現在では中国の男性が女性を争う事件が多くなり、不安
中国で女性を巡る男性間の争い (例えば殺人事件) が多いかどうかは調べてみると面白いかもしれない。一人っ子政策前と後とで比較すれば立派な研究になりそう (もうあるかな?)。
人間には愛だの恋だのと幻想を抱きがちだが人間も動物の枠からはずれることができない
愛だの恋だのと幻想を抱くという傾向自体が進化の結果であるとも考えられる。恋心 (それが性欲に動かされたものであっても) が芽生えなければ子孫は残らないわけだから。
先生もがんばってイスマイール残忍王にまけないように、888人の子供を作ってほしい。
無理です。
クジャクなどの羽がメスを引き寄せるためのものではないということがわかって
全然わかってない! オスのクジャクの立派な羽はメスを惹き付けるための飾りと言われている。
(イスマイール残忍王の話) 888人だとほぼ毎日?セックスをしないといけないことになり、さらにその度に妊娠してしまう
「その度に」妊娠する必要はない。その度に妊娠していたら、一年で365人の子どもが産まれてしまう。
仏教など多くの宗教では、子作りの行動を汚れたものとし、禁止されていたりします。これは生物の本能に反する行動です。なぜこのような文化が生まれたのか。
聖職者に性行為を禁じる宗教はあるが、一般人にまでそれを禁じる宗教はほとんどない。もちろん、「快楽としての性行為」を禁じる宗教は多くて、厳格なキリスト者は堕胎を許さないが、子どもを作るための行為を禁止しているわけではない。
先生が男性は女性がきたらしたいからするというのは、少しかなしかったです。男性も相手をちゃんと選んだりしないんでしょうか?
男性が相手を選ばないということはない。女性に比べて、選択の幅が広いということ。男性もできるだけ健康そうで、若そうな女性を求める傾向がある。
講義の冒頭で、車をフルエアロにして車高を下げている人を先生は、鼻で笑われましたが、私はバカにされたみたいで非常に不愉快でした
僕自身も車の車高は純正より下げる (あるいはもともと下がったグレードを買う) ので、馬鹿にしているというのは誤解 (エアロパーツは個人的には嫌いだが)。ただ、クジャクの羽と同じように、不便を強いられながら格好を追求するところがおかしいという話。不愉快に感じられたのだったら申し訳ない。
僕は年上の女性が好きなのでショックです
大丈夫。僕も年上の方が好み。
一夫多妻性の国では、夫がいろんな女性と関係をもつことについて、妻はやきもちを焼いたりしないのかなと思いました。
(男性ほどではないが) 当然女性も自分のパートナーが他の男と関係を持ったら焼きもちを焼く。大奥のドラマなんて見るとすごいでしょ?
授業については先生は生徒に気を遣い過ぎだと思います。
担当者は気が小さいので。
女が男を選ぶのなら自分はヤバイと思う
がんばって。
1年間に男性は6人しか子どもを作れないとしたら、イスマイール王の888人はあやしいですね……。
排卵期を意識せず、56人の女性と毎日1回ずつセックスをした場合、1年間に平均して6.5人生まれる計算になるが、これはエイノンによる計算。グールドの計算だと、62年間毎日1.2回で888人は達成できるという (エイノンの計算だと1日1.2回で年間7.8人生まれるので、62年間で483.6人生まれることになる)。精子がどのくらい生延びるのかかによる。精子の寿命にはばらつきがあるから、もしかしてイスマイールの精子はものすごく長寿なものが多かった?
どうして男性は死ぬまで生殖活動が可能なのか分からない
進化心理学的には、むしろ「なぜ女性に閉経があるか」が謎になっている。つまり、なぜ「おばあさん」が存在するのかという謎だ。「おばあさん仮説」という、家族の子育て支援に閉経後の女性が必要だというおもしろい説もある。
テストはどういう形式か
今のところ穴埋めの記述式と、選択式と、何か感想みたいなのを書かせるものを予定。「学習支援センター」で過去の「社会心理学」や「集団力学」「心理学I/II」の試験問題をもらえるので参考にしてほしい。
備考
ちなみに、授業の中では「クジャクはオスがおしゃれなのに、人間では女性の方がおしゃれをする」という違いについて少し触れたが、種明かしは簡単な話。男性にとっては女性が「妊娠できそうなくらい若くて健康」であることが重要なので、女性は男性にアピールするためにおしゃれをする、という解釈が可能。
今回はカーテンを開けてみたが、明るくてよいという意見と暗い方がよいという意見がまた相半ば。もう少し閉めてみるか。
赤字を黄字にしたのは大成功。
すべての疑問には答えきれていないが、質問のある学生はこのブログの記事にでも、授業後に直接でもよいので、質問してほしい。