「社会心理学2010」の感想 (8 Jun, 2010)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。

「人文学は女性と結びつきやすい」など多くの人に同じ傾向があるものもあります。これは、社会全体にその傾向があるから、それに沿った対応 (現象) が起こり、それを経験するから同じように考える人が増えるからなのでしょうか?

社会的に共有されている、というのが重要なポイントだと思う。なぜ共有されるようになったのか、についてはまた明らかにしなければならない問題。

ギャルの人は皆見た目を派手にして群れているように見えますが、これはいわゆる「類は友を呼ぶ」ということになるのでしょうか?

そうでもあるし、「外集団同質性効果」といって、自分と違う集団のひとたちは似て見えるという効果の影響かも? それに、地味な女子だって、みんな群れてるよね?

ステレオタイプが強いと、どうなのでしょうか? やはり強くも弱くもないのが良いのでしょうか?

よいとか悪いとかではなくて、ステレオタイプは誰もが持っているもの。強いひとは偏見も強いかな。

あと、ビデオの中で出てくる用語 (弁別性〜の辺り) がよくわからなかったので、moodleの用語解説のところにアップしてもらえると嬉しいです。

最近全然余裕がなくて、用語集の更新が追いつかないけれど、なんとか時間を作ってやりたいと思う。

“暗黙裏の人格理論”で「素朴な理論」と書いてありましたが、どういう意味でしょうか?

ふつうのひとがふつうに持っている、単純な考え、という感じ?

「自分は第一印象が良く当たる。人を見る目がある」みたいな人がいますが、こういう人は単にステレオタイプが強いということですか?

ステレオタイプというより、期待効果が強く出そうな人?

ビデオの中に女性が感情的で男性が理論的というステレオタイプが出てきましたが、あれは一般的なものですか?

と思う。ある程度統計的な裏づけもできそう。

自分は冷たそうでこわいと言われるが、それは真顔がこわいからだと言われた。……どうしようもない (笑)。

いつも笑顔でいればいいよ。

性格、能力は本当にどんな状況でも不変なものなんでしょうか?

状況を超えて一貫しているものを性格と考えるからねえ。ただ、状況の要因と性格の要因はそれぞれそのひとの行動に影響するから、外に現れる行動は必ずしも一貫しているとは限らない。

Aさんの外見の第一印象が「優しくて気が合いそう」とBさんに思わせても、Bさんが「B型は自分勝手で自分とは合わない」という思い込み (ステレオタイプ?) があり、Aさんが「B型」だと発言したのを聞くと、第一印象よりも思い込みの方を優先して、「Aさんと付きあうのはやめよう」と思うのでしょうか?

それは場合によるので、予測できないなあ。葛藤はあるだろうな。

(東京都青少年健全育成条例について) この条例を提案した人の中に「マスコミであれだけさわいでいるのだから、少年犯罪は増えている。統計データは必要ない」といった人がいたらしいです。

それが本当ならかなり頭悪いね。「増えている」ってのは「マスコミが騒いでる」ってことなんだろうか。

(社会心理学で扱われている概念について) 何故こんなわかりにくい区別をしようとするのでしょうか?

ひとつは、学問で用いられる概念というのは初学者がすぐに分かるようなものではない、ということ (努力が求められる)。もうひとつは、社会心理学者は節操がないので、どんどん類似の概念を作り出してしまったということだと思う。後者についてはいろいろ言いたいこともあるのだけど……。

最初の出席カードに書いてあったことへの応答の時間が長過ぎる気がします。

ごめんなさい。実はちょっと気付いてた。