「心理学概論I 2016」の感想 (10 May, 2016)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。白紙のまま提出したのが3名で、注意をしているのにこれというのは態度が悪いと思う。

高校の生物の授業で、どういう過程でキリンの首が長くなったのか、ということを考えたのを思い出しました。

「獲得形質は遺伝しない」という話で出てきたのだろうか。

進化とはどこまで変化したら進化といえるのか?

集団中の遺伝子頻度が少しでも変化したら進化と言えるだろうね。違いは目に見えなくても。

結局のところ、遺伝子型が表現型を支配しているということでよろしいでしょうか。

遺伝子型が違っても表現型としては同じことはあるが、基本的にそう考えてよいと思う。

遺伝的浮動の説明があまりなかったように思うのですが

授業では移住の話を例に出したが、天災などである母集団の個体数が極端に少なくなるなど、そういうこともある。

自然淘汰と適応ですが、ダーウィンの進化論とは異なるのでしょうか?

授業で説明している内容は基本的にダーウィンの進化論に立脚しています。

人類の適応度の具合や過程が気になった。

どう気になったのか。これでは意味のあるコメントとは言えない。

生き残るのに有利になる形質が受け継がれているなら、その当時は有利でも、後になって不利になったら、受け継がれなくなりますか。

全てはその時の環境次第なので、当然そうなる。

心理学概論Iの授業で既に遅刻を3回くらいしてしまいました。遅刻も欠席になるのでしょうか。

遅刻も欠席も本人が授業料を無駄にしたというだけで、基本的には何の意味もないよ。

先生の授業を受けた後は「綾鷹」が飲みたくなる……。

日本コカ・コーラ社はこの授業のスポンサーではない。

自然淘汰は4つのうち (注: 前提条件の4つのうち)、1つでも条件がなかったら成り立たないんですか?

成り立つと思うかどうか考えてごらん。

生物を高校でやって、もうこれ以降は役に立たないだろうと思っていましたが、役に立つようで安心しました。

この授業で習う考え方も死ぬまで役に立つからちゃんと勉強してほしい。

自然淘汰の考え方は「進化論」とどのようにちがうのか。

なぜ違うものだと思うのか?

適応的形質は胎児の頃からすでに身に付いているものですか? それとも生まれた後に身に付くものですか?

ほとんどの適応的形質は10万年くらい前から身についているよ。

遺伝子型ありけりの表現型であるのに、どうして並立関係で比較していたのですか?

並立関係で比較していただろうか?

スマートフォンやパソコンがあるあたりまえの環境のもので、それらの悪影響 (注: 例えばブルーライトなど) に適応できる形質を身につけている人間はどのくらいの期間でできると思いますか?

1万年くらい。でも、その間にテクノロジーがその「悪影響」と乗り越えるから進化には関係しないと思うよ。テクノロジーの進歩の方が進化のスピードよりもずっと速い。

授業とは関係ないけど、私はチックがよくでるのですが、心理学とかと何か関係があったりするのですか?

あるんじゃない? 「心理学 チック」でググれ。

集団全体の増加率が高くなればなるほど適応率は低くなりやすいということですか?

その個体の増加率が固定だとするならね。適応度は相対的なものだから。

授業中に腹痛に襲われた場合、邪魔にならないようこっそりと教室を出るのが良いのだろうか。

そうしてください。

環境が変化しない限り、生物が進化することは絶対ないのですか?

そんなことはない。環境が一定であれば、その環境に適応するように生物は進化していく。それ以上適応できなくなれば進化はストップするだろうけど。

あまり関係ないことですが、研究者でMacを使う人がいますがどうですか?

まじいいっす。買うならキーボードはUSキーボードにすること。学生・教職員はApple Storeのオンラインから買うと割引が効く。Appleのサイトの下の方をよく見るように。

表現型と遺伝子型の違いがいまいちよく分かりません。

「生物がどんな遺伝的組成をもっているかを、遺伝子型とよび、遺伝子型がどんな形質を作りだすかを、表現型とよぶ」(Zimmer, 2010, 長谷川監修) これで分かる?

適応度を求めてどうするんですか?

進化の客観的な指標になる。

先生のように毎日 (先生のtwitter見てます) 色んなことに問題提起をしていると自然とそういう力がつくのかなと思いました。先生を見本に自分も考えるクセを作ろうと思います。

他の人と同じことを考えていたら「つまんないことを考えてしまった」と思うようにすることが大事。

今日の進化の話を聞いていたら、ポケモンが“進化する”の“進化”の使い方はあっているのか? と少し疑問に思った。

あっているかどうかというより、生物学における進化とは何の関係もないよね。

私にはまだ適応度が1未満だと比率が減るのかがわかりません。

いろいろな例で計算して試してみればよい。

よくテレビを見ていると〜のために進化したなどと言っているのですが、自然淘汰の結果が進化であるならば、目的を持って進化するというのは間違いですよね?

そう、その通り。

サルや人など子供をあまり生まない生物には適応はないと (もうすでに終わったと) いうことですか?

子どもの数の差がどの程度できるかが重要で、子どもの数が少ないからといって適応が起こらないというわけではない。

自然淘汰って、悪い物をなくす、よい物を残すっていうことかなぁ〜

悪いとかよいということではなくて、残ったものは適応したものだと考えるのが自然淘汰。

自然淘汰の条件i) は、生まれた子のうち生き残るのが全てではないので、そこで選択が生じるという意味ですか?

選択が生じるかどうかはともかくとして、最初の条件は「子どもを作れる年齢になるまでに死んでしまう者が存在する」ということ。

形質のうち、「行動上の特徴」が遺伝によるものかどうかは、どうやって判断されるのですか?

究極的にはそれに対応する遺伝子があるかどうか。

「遺伝的浮動」は適応を生み出さない、というのもわかりません。何か詳しくわかるための本などがあれば教えて下さい。

進化: 生命のたどる道』に遺伝的浮動のために遺伝病がある集団内で広まる例が載っているので参考にどうぞ。うちの図書館にもある。

昨日、前回のmoodleの小テストに解答しようと思ったら、既に打ち切られていました。

きっかり一週間で切るので、その期間内に行ってください。

友達の家族はみんなA型です。何か得することってあるのですか。

お互いに輸血できて便利。

A型は几帳面、O型は大ざっぱとかよくいいますが、こういうものは本当にそうなんでしょうか。

心理学者の研究によれば関係ない。

働き蟻の群れは、食料を探す効率のために、仲間の作った列に忠実に従うタイプと、列を離れあちこち歩き回るタイプの2種類で構成されていると聞いたが、この場合は2つのタイプ両方を適応の結果と呼べるのか。

適応度が等しければそこに淘汰はおこらないので、両タイプが生き残ることになる。

今の学習環境に早く適応してほしい。

10万年くらい待ってほしい。

社会心理学の分野で実験の結果が確実でなかったものの中で有名なものがあれば知りたいです。

ダリル・ベムの未来予知実験。検索してみよう。

進化は万年単位ですが、適応は次世代にすぐ発現するほど早いのですか?

適応というのは進化を構成する概念だよ。進化のスピードは生物によって全然違う。ウィルスなどはすごく速いけど、人類は遅いね。