「education」カテゴリーアーカイブ

「進化と人間行動2009」の感想 (29 Sep, 2009)

学生から提出してもらった「出席カード」(大きい方) に書かれていた感想・質問・苦情から。第1回目の授業は授業のルールやこの授業で扱う内容について簡単に話した。声が聞き取りにくいという学生が何名かいた。いつもそんなことを言われることはないので、マイクの問題?

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CoSTEP (北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット)

北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット)

北海道大学科学技術コミュニケーター養成ユニット(通称コーステップ)は,科学技術コミュニケーターを育てるための教育組織です。科学技術コミュニケーターとは,科学技術の専門家と一般市民との間で,科学技術をめぐる社会的諸課題について双方向的なコミュニケーションを確立し,国民各層に科学技術の社会的重要さ,それを学ぶことの意義や楽しさを効果的に伝達することができる人材です。

Communicators in Science and Technology Education Program,略して CoSTEP(コーステップ)です。

*文部科学省の「科学技術振興調整費・新興分野人材養成プログラム」に採択されたプログラムで,2005年10月から授業を開始しました。科学技術振興調整費による支援は2010年3月までの予定ですが,それ以降もより一層発展した形で継続することを目指しています。

へえ、いまこんなことやっているんだ、と思って見ていたら……ラジオ第158回:2009年9月11日に後輩が出てた! このプロジェクトには、山岸みどり先生がスタッフとして参加されている模様。Podcastでも配信されているようだが、なぜかダウンロードできないので、MP3で聴いてみた。進行役は素人のようで、ラジオ番組としてちょっと洗練されていない感じはするものの、なかなかおもしろい試みだ。ぜひ聴いてみましょう。

前期末授業アンケートの結果 (2009年度)

恒例の授業アンケート結果への反省。

今回対象となる科目 (前期に担当した全科目) は、心理学概論I、集団力学、社会心理学、演習I、演習III、卒業研究、心理学実習IIIの7科目。後者4科目はいわゆる「ゼミ」なので、いずれも学生の満足度は高く、それほど反省する点はない (とはいえ、3年生対象の演習Iと心理学実習IIIは5点満点ではなかったので、少し改善する余地はあるかもしれない)。 なお、評価はいずれも5点満点だが、3点がない奇妙な尺度 (なので平均には統計的な意味はないが、それはおいておく)。主な項目については、前期末授業アンケートの結果 (2008年度)に載せてある。

まず、心理学概論Iから。この授業は15週の授業を半分に分け、前半の7回分を僕が担当している。後半7回は発達心理学の先生が担当されている。履修者数92名、回答者数69名である。「授業は全体として満足した」については、4.8点で、非常に高い得点。これについて「あまりそう思わない」と回答した学生はたったの1名だった。13項目の平均は4.7でこれまた高い。自由記述のコメントについては、特段論じる内容はなかった。ほぼ成功した授業と言えるだろう (あるいは、後半に担当した先生の評判がよく、全体の得点が引き上げられた可能性もある)。

「集団力学」は履修者数141名、回答者数112名。想像以上に履修者数が多く、戸惑った授業。「授業は全体として満足した」は4.7点。「あまりそう思わない」、「そう思わない」がそれぞれ2名いた。13項目の平均は、4.6点。得点の低かった項目は「質問や発言を促し、それらに十分対応していた」で、4.2点。学生数の多い授業でこんなことは無理。無理なので、毎回出席カードに感想を書かせて、それにブログで返信しているのだ。自由記述欄には「先生の友だちの話も面白かったです。女装の……」とあった。女装して修了式に臨んだ友人のことを授業で話したような気もするが、いったいどんな文脈で話したんだっけ。

「社会心理学」は履修者数102名、回答者数77名。「授業は全体として満足した」項目の平均は4.6点 (「あまりそう思わない」、「そう思わない」がそれぞれ1名)、13項目の平均は4.5点だった。ほぼ平均的な評価と言っていいだろう。実は「集団力学」に比べて自分があまりおもしろいと思っていないテーマを話しているので、それが評価に反映しているのだろう。書く量が多いという苦情がいくつかある。「重要なところは重要といってほしい」という意見も。この授業の内容は全部重要なんだから、そんなことを言う必要はないでしょうふつう。ビデオとブログについては評判がよい。つまり、授業をやらずに、ビデオを指定して、それの感想を書かせてブログに返信する、という遠隔授業スタイルの方がよいのかもしれない、と本気で考えてしまう。「普通に満足ですが、もっとおもしろみがあった方がいいと思います」というおもしろみのないコメントにはちょっといらっときた。「この教室のイスは嫌いです」を「この授業で改善してほしいところ」に書いてあるひとがいるけれど、教室のイスを改善できるほど、僕には力がない。教務とか財務に言ってくれ。

教育にもカルテを

教育にもカルテがあれば便利だと思っていた。学生を指導する際、その学生がこれまでどんな授業を受け、どのような出席状況で、どんな成績を取ってきたか。また、その学生はAO入試で入学したのか、それとも一般入試あるいはセンター利用入試で入ってきたのか。これまで、単位僅少の対象となってチューターの先生に指導されたことがあるか。あるとすればどのような指導をされてきたのか。こういう情報が一元化されていれば、ものすごく便利だ。もちろん、入試に関する情報は入学センターが、学業成績やこれまでのチューターによる指導履歴は教務課が、それぞれ持っており、教員の照会に応じてくれる。しかし、知りたいのは特定の学生に関する情報だけなのに、複数の部署に問い合わせなければならない。多くの場合、電子メイルや電話で問い合わせなければならず、結構面倒だ。

教育熱心な教員なら、そういった面倒があっても情報を集めようとするだろう。ところが、僕のような、教育自体にはそれほど関心もなく、教員免許ももちろんもたないずぼらな教員は途中で諦めてしまう。いかにも、面倒だ。

もし、大学にも学生一人一人に対応したカルテがあったらどんなに便利だろう。そして、そのカルテはコンピューターでログインすれば即座に見ることができるのだ。そこには学生の連絡先も登録されていて、面接の予約も簡単にできる。推薦入試で入ってきた学生なら、入学前学習の履歴も見られるし、学習支援センターが行っているような補習授業を受けた履歴も知ることができる。夢のようなシステムではないか。こういう「カルテ」のことを、どうやら「ポートフォリオ」というらしい (最初は、資産の分散投資のことかと思った)。

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新聞記事データベースの分析

2009081401

ここしばらく、大学院生と某キーワードで、新聞記事データベースの分析をしている。該当となる記事は全部で1,800ほど。10月の中国四国心理学会で発表するべく、ゼミの学生2名にバイトとして手伝ってもらいながら、なんとか700記事まで整理が済んだ。まだ道のりは長いなあ。とはいえ、新聞記事はデジタルデータで入手可能なので、むかしに比べるとかなり楽だ。

大学院生に給料を与える話

大学院生に実質的な給与を 基礎科学力委が提言

朝日新聞 2009年8月6日7時46分

昨年、日本から4人のノーベル賞受賞者が出たことをきっかけにつくられた文部科学省の「基礎科学力強化委員会」(座長=野依良治・理化学研究所理事長) が4日、「日本の基礎科学は現在、十分な世界水準にあるとはいえず、大学院教育などの抜本的改革が必要」とし、大学院生には実質的な給与を出して支援すべきだとする提言をまとめた。

提言では日本の現状について「現実逃避ばかりで危機意識が希薄。欧米のみならず急速に発展するアジア諸国の状況を直視すべきだ」と分析。アジアでは博士課程を中心に大学院生の拡充に乗り出している点に触れ、日本でも大学院教育に財政支援を増やし、同時に「大学側の意識改革を進めるべきだ」とした。

修士や博士課程の学生を、「教育アシスタント」や「研究アシスタント」に位置付けて、「実質的給与型の経済的支援の拡充を図るべきだ」と言及。大学側に対して、こうした人材の雇用を義務づける必要性を訴えた。国内外に開かれた大学院にするために、幅広くいろいろな大学・分野から学生が集まるよう、同一校、同一分野の出身者を最大で3割程度に抑え、外国人学生を2割以上にする、などの目標を掲げた。(行方史郎)

だそうで。某所で、現在ヨーロッパで働いている某先輩がつぶやいていた内容によれば、ヨーロッパでは大学院生は給料をもらえるが、その給料は教員が獲得した外部資金から支給されるのだという。教員は大学院生を「雇いたかったら」、向こう3年分、およそ1,000万円ほど (院生一人当たり) を予め獲得し、大学に提供しなければならないそうだ。なので、弱小大学のしょぼい教員はいつまでたっても大学院生を入れることができない。研究費も、有力な教授による寡占状態となるので (そういう人は大学院生をたくさん雇う)、小口の科研費がなくなってしまう。従って、大勢の「平凡な研究者」は大学から支給される少額の研究費でなんとかやりくりしなければらない (しかも、仕事を手伝ってくれる院生もいないのだ)。

まあ、世知辛い話だと思ったが、これは案外いいアイディアかもしれない。大学院生もしょぼい教員について苦労することが減るんじゃないだろうか。大学院生を雇えるのは有力な教授だけなのだから。進学すべき実力が無いのに進学して苦労してしまった、というような悲劇も減るかもしれない。

でも、こうなれば真っ先に「お家」が「おとりつぶし」になるのはうちの大学の大学院だろうな。

集団力学2009採点結果

集団力学の期末試験の採点が完了した。問題が簡単すぎたようで、平均点は75.20点。試験を受けたもののなかで単位を落とすくらい悪い点数なのは5本の指に満たない (多少甘めに評価しているが)。

ふつうに評価すると以下の通り (最終版ではない)。

  • AA 26名
  • A 39名
  • B 33名
  • C 31名
  • D 4名
  • X 8名